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2012-2013年 年またぎ 九州買付け vol1.大分・小鹿田
ご存知かどうか、器類は当店には九州のものが多いわけですが、
2012年の年末から2013年年始にかけてお世話になっている各窯場を巡り、
買付けをしてきました。
この2013年1月〜2月にかけて続々とそれらが入荷してきます。
同タイミングでこのように一気に届くことは珍しいため、
せっかくなので各地の窯の様子も交えご紹介させて頂きます。
ゆっくりご覧下さい。
冬の大分、小鹿田の皿山へ。
このページの一番上の写真は大分県の小鹿田(おんた)の窯。
冬の小鹿田はとにかく寒い。九州随一の豪雪地帯。
「九州に買付けにいくんだけど雪でさ」というと関東の友人に言うと笑われますが、
全くもっての実話。相当に冬の厳しい地域です。
(隣接する福岡県の小石原も負けてはいませんが。)
12月から1月にかけては小鹿田の集落の各窯が焼成をするため、大忙し。
寒い、年末年始だ、などと言ってはいられないような空気。
今回、小鹿田の集落から入荷したのは坂本浩二窯。
大物作りの名手と言われる坂本浩二さん。今回の窯では当店でも尺皿など大きめの皿の加え、
上の写真にもあるような大きな徳利や花瓶、傘立てにちょうど良いような素晴らしい一斗瓶を買い付けています。
大きな一升徳利は、昔お酒が量り売りだったころに実用として使われていたもの。
今はそのような使い方は難しいけれど、こうして時代時代に必要とされてきた道具のストーリーを知る。
なんだかそれだけでワクワクするから、そういうのは積極的に買い付けます。
良いご縁で誰かの手に渡ったとき、そのストーリーがつながっていくような。
そんなことにもまたワクワク。
→小鹿田焼 坂本浩二窯の器を見る。
既に12月に入荷済みの柳瀬朝夫窯や黒木富雄窯も新年にはしっかりと次の窯に向けて
作業が始まっていました。
小雪混じりの中を、各窯を狭い集落をとぼとぼ歩いて移動します。
ストーブで温められた作業場に入ると、僕は眼鏡が曇り、しばらく何も見えないのですが、
ラジオの音と、静かなろくろ作業の音、それだけ。
こちらが緊張しているのを察してかのように黒木さん親子は話しかけてきてくれます。
外はとても寒いのだけど、ストーブの暖かさと、穏やかな午後の時間。
年末まではまだ12月窯の片付けをしていたのに、いつの間にか工房の中には
乾燥中の器が既に。正月はわずかに休みがあるようですが、この勤勉さにはいやはや敵わない。
→小鹿田焼 黒木富雄窯&柳瀬朝夫窯の器を見る。
小鹿田焼 2013年
日本の民藝、特に器に関してはその純粋性を最も色濃く残すと言われている小鹿田焼。
各窯元を回っていると、その歴史を出来るだけ受け継ぐような仕事、
やや現代的な要素を取り入れた仕事、様々な仕事が見られます。
そんな中でも、「常に危機感を持って仕事をしている。」と語ってくれるこの方達、この窯。
2013年よりお取り扱いが始められそうです。
詳細は追って当店のメールマガジンでお知らせ致しますが、より広い小鹿田焼を見て頂く良い機会になりそうです。
→年またぎ買付け vol.2 熊本編へ。