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黒木昌伸さんのうつわ (2019年12月23日。窯出しから二週間ほど。来年の初窯に向けてすでに動き出している。)



黒木昌伸さんの大物




当店で小鹿田焼の荒物(大物のことを小鹿田ではそう呼ぶ)と言えば、
坂本浩二窯の坂本浩二さん拓磨さん親子を浮かべる人が多いだろう。


小鹿田の大物づくりの名手と、若い頃から高い評価を受けていた浩二さん。
2020年の今も50歳を超えてまだまだここから、というオーラがある。


その父の横でろくろを挽く拓磨さんも早くから大物に挑戦し、
すでにいくつもの名品を生み出している。


果たして、小鹿田九軒で大物が良いのはこの坂本家だけだろうか。


当店では五年ほど前から当時の黒木富雄窯(現在の黒木昌伸窯)の、
黒木昌伸さんにも傘立てをお願いしたり、火鉢をお願いしたり、
睡蓮鉢をお願いしたりしている。


傘立てはコンスタントに入荷しているので、見られた方、
お求めになった方も多いのではないだろうか。


黒木昌伸さんはどちらかと言うと食器の印象だ。
真面目に同じものをピシャっと合わせて作る。


黒木昌伸さんのうつわ (黒木昌伸さん、父の黒木富雄さん(前当主)とも実直なつくりに評価が高い。)



黒木昌伸さんのうつわ (2017年7月下旬。水害に見舞われた直後の工房で。たまたまこちらは比較的被害が少なかった家だった。)



その仕事ぶりには定評があって、
2018年の夏、鹿児島のしょうぶ学園で開催された展示会においても、
黒木昌伸、坂本創、坂本拓磨(年齢順)の3名にあって、
年長者らしく、ダントツの技術とまとまりを見せていた。


黒木昌伸さんのうつわ (この時、黒木昌伸さんにお願いしたテーマは「白」。それもできるだけ飛び鉋と刷毛目を使わずに。)



2019年、当主交代もあり、黒木昌伸窯となった。
それがきっかけというわけでもないだろうが、
黒木昌伸窯の作るものにどこか変化があるように感じられた。


特に年末12月の窯では、数多くの大物が窯に入った。

窯出しに訪れると、
普段なら「これは××のお店さんの注文だな」とある程度想像のつくものが並ぶのだが、
12月の窯は想像のつかない大物がたくさんあった。

それも、どれもが高い躍動感を持った、
新鮮な大物だった。

それを初めて作ったという訳ではない。

だけれども、何か新鮮な「気」を感じさせる窯出しだった。



小鹿田焼の将来、黒木昌伸窯の将来




登り窯を未来焚き続けるとはどういうことだろうか。
小鹿田焼が小鹿田焼たるとはどういうことだろうか。


登り窯は当たり前だが焼き物を入れる部屋の大きさが決まっている。
これが大きいのだ。
食器だけでは到底埋まりそうもないほど大きな部屋。

例えば瀬戸の本業窯はかつて登り窯(相当大きい)を使っていたが、
大物から食器中心の焼き物への変化で、登り窯を焚き続けることを断念した。

黒木富雄窯から黒木昌伸窯へ。
親子二人で食器をしこたま作っていた時代から、
また少し変化が訪れるかもしれない。
そしてその次代へと。


個人的には昌伸さんの性格から生み出される大物が楽しみだ。
それは坂本浩二さんとも拓磨さんとも違う。

正確無比な食器づくりの陶工が、
少しフリースタイルとも言える大物でどんな世界を作り出していくのか。

今回は白い刷毛目のものがよく目についた。
大物は窯出しでも数軒のお店にしか渡っていないけれど、
うちは刷毛目を中心に選ばせてもらった。


正直言うと、そろそろ食器は集まってしまったな、
という方も多いのではないかと思う。
うちももう10年だ。
あの人、この人、食器棚は埋まっていそうだな、と想像がつく。


そんな方は、
次はお気に入りのあの作り手の大物を。
今でなくてもいい。
いずれでも。

まだ40代も入り口の昌伸さん。
ここからまず10年。
どんな大物が生まれるでしょうか。


黒木昌伸さんのうつわ (2019年12月22日。この日はものすごく寒く、ストーブがガンガン焚かれた工房ではカメラのレンズが曇った。)



今後が楽しみでなりません。
たまたまではありますが、2020年の元旦にこうしてお披露目できるのも嬉しいものです。


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