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木工をめぐる物語


木工をめぐる物語 日本の北と南




みんげい おくむら5周年企画の第三弾です。
第二弾は?と思った方、すいません。
第二弾よりも第三弾が先に準備が整ってしまい、順番を逆にしてのご案内となります。
予定しております、各地の藍染めの布のご紹介はまた後日ご案内させて頂きます。




沖縄から木漆工とけしの漆の器が届き、当店での取扱いを開始するタイミングで、
3組の作り手を改めて紹介し、木の器について考える機会を持ちたいと思いました。


せっかく5周年なので、このタイミングとして”おまけ”もありますが、
それは一番最後にご紹介するとして、さて、始めましょう。



木工のあれこれをかいつまんで




歴史的に、木の器は土器と同じように縄文時代から使われていました。
その頃はやはり土器と同じように原始的です。
木をくり抜いて作られたものが中心で、取っ手付きのものも見られますが、
非常にシンプルです。


北海道のアイヌの人達は、土を焼いて作る陶器の文化がありません。
そうした土が彼らの暮らす土地からは見つからなかったからです。

アイヌの人達は伝統的に木の器を使ってきましたが、
このように彼ら独特の模様を彫り込む、素晴らしい日常の道具となりました。


木工をめぐる物語


もちろん仕上げ材などありませんから、白木そのままの仕上げとなります。
食材の汁や脂が少しずつ染みて、経年変化していきます。


毎日使う日常の器ですが、やはり仕上げ材が無いので、
少しずつ痛みが出てきます。



生木での痛みを出来るだけ防ぐために、後年、オイル仕上げやウレタン仕上げが生まれました。
食器のみならず、木工の家具などもこれは一緒です。


これにより木の器は劇的に器としての使用価値を高めていきます。
木肌を見せることが出来るので、木そのものの美しさを保つことができます。

お手入れもしやすくなりましたし、何より長持ちします。
ですが、例えばウレタンの仕上げは天然の木には無いつややかさな光沢を持ちます。
日常の器として耐久性や手入れの気楽さを持ちますが、
自然さを好む方には向かないという部分もあります。


木工をめぐる物語



一方、日本の木の器の文化の中で語り継いでいきたい技術が「漆」です。

漆も歴史は縄文時代にさかのぼります。
水に弱いという木の弱点を補うため、ウルシノキの樹液を用いた「漆」が使われるようになりました。

この写真の器や盆に使われる沖縄の「イタジイ」という木は沖縄北部に広く群生し、
クセはあるけれど表情が美しい木で、それを生かす拭き漆という仕上げをしています。
見た目通り、品良くも使えるし、家庭の普段の料理も似合う万能な器。



木工をめぐる物語



我々の祖先は「木」というそれ自体が美しいもの向き合うため、
そのままなのか、あるいは何か補強を施すのか、
歴史を経て色々に考えてきたのです。



みんげい おくむらが扱う3組の作り手




さて、そんな中で当店が今現在の作り手として、この5周年の企画の中で取り上げたいのは、


木工をめぐる物語


写真左から、


・北海道 アイヌの木工 高野繁廣さん

・鹿児島 ウッドターナー 盛永省治さん

・沖縄 木漆工とけし 渡慶次弘幸・渡慶次愛さん


の3組です。



本当は北から南、ということで全国津々浦々素晴らしい職人を紹介出来れば良いのですが、
まだうちは力が足りません。

多くの優れた職人・工房とお付き合いが出来るほど足を運べていません。
10周年には更に多くの、個性の違う職人さんたちをご紹介出来ると思います。
それはそれで未来のお楽しみとさせて頂いて、、、



まずは北の代表、アイヌの木工の高野さんです。
高野さんのものづくりはアイヌの伝統に出来るだけ忠実なものです。


木工をめぐる物語


高野さん自体は東京の人ですが、「アイヌよりアイヌらしい」と言われるその生き方。
同じくアイヌの織りや刺繍の職人である奥様(同じく東京出身)も素晴らしい方で、
二人の元を訪ねればアイヌのことは大体わかる。というくらいの方達です。

といっても、研究者ではなく、アイヌ集落に暮らし、どこまでもその文化を見つめてきた、
二人の数十年の積み重ね、なのです。


高野さんのものづくりは、地元の材にこだわり、白木、あるいはウレタン仕上げ。
木工の原型に近いです。どうぞ一度白木の仕上げ(仕上げ材を使わない)を手にしてみて下さい。
素朴です。そして汚れたりしますが、そうそう簡単には壊れません。

(高野さんのアイヌの木工を更に詳しく知りたい方はこちらから。)




続いて南は鹿児島の盛永さん。
彼は家具職人としてのキャリアがあります。


木工をめぐる物語


そしてウッドターナーとして独立するのですが、
そのウッドターニングというのは、木工旋盤に木を取り付け、回し、
それを削って成形していく技術のことを言います。いわゆる挽き物。


ウッドベースやウッドボウルなど、1点ものを見ていると、とても作家っぽい感覚があるのですが、
彼はそのキャリアから、材を無駄にしないこと、作業の一つ一つをコストとみて、
どうしたらもっと早く同じものが出来るか、を常に考えている職人でもあります。
彼は食器や家具など同じものを作ることを嫌がりません。
しかし、その材が大物に向くとなれば、瞬く間にその木の個性を生かし、1点ものを仕上げます。
ニュータイプだと思います。

彼のつくるものの仕上げはウレタンと蜜蝋。
電子レンジや食洗機は駄目ですが、油ものでも汁ものでも気にせず使えます。

(盛永省治さんのものづくりを更に詳しく知りたい方はこちらから。)




最後は同じく南、沖縄の木漆工とけし。
この中では最も若く、独立してわずか5年。
しかし確かな下積みがあり、まっすぐに試行錯誤している作り手です。


木工をめぐる物語


輪島という伝統産地で学んだ木地師と塗師が、地元沖縄で県産の材を使ったものづくりをします。

沖縄伝統の琉球漆器とは背景を異にするこの工房ですが、
彼らなりに琉球漆器に対する畏敬を持ち、しかしどこまでも今の暮らしに合うものづくりは、
新しい時代の琉球の漆器、だと思うのです。

漆が沖縄のような高温で多湿な気候のもと、作りやすいのはあまり知られていません。
また沖縄にはウルシノキは自生しません。歴史上中国の漆を使ってきました。
(今、国産漆を使っている産地はごくごく限られています。)
化学的には成分に大差ないこの2産地の漆ですが、大きく胸を張って中国の漆を使える、
というのはこれまた意外と面白い事実なのです。

(木漆工とけしのものづくりを更に詳しく知りたい方はこちらから。)




5周年の特別企画は…




さて、この3組の木工を該当期間にお買い上げの方に、



店主奥村セレクトの、お買い上げの品に合う、道具をプレゼント。


お盆をお買い上げの方には、それに見合うもの。
お皿なら、ボウルなら…


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7/29 10:00 から 8/10 23:59

「アイヌ木工芸」「盛永省治」「木漆工とけし」の商品を含む、
合計10,800円以上お買い上げの方に、
みんげい おくむら店主奥村セレクトの「似合う道具」をプレゼント。



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特にご購入時にして頂くことはありません。

該当のお客様に漏れなく選品の上、お荷物に同梱致します。






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木漆工とけし イタジイ盆 尺三寸

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49,500円(税込)

完売しました

木漆工とけし イタジイ盆 尺一寸

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25,300円(税込)

完売しました

木漆工とけし イタジイ盆 一尺

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22,000円(税込)

完売しました


木漆工とけし 種鉢 イタジイ

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8,800円(税込)

完売しました

木漆工とけし 種皿 8寸 イタジイ

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14,300円(税込)

完売しました

木漆工とけし 種皿 7寸 イタジイ

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12,100円(税込)

完売しました


木漆工とけし 種皿 6寸 イタジイ

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9,900円(税込)

完売しました

盛永省治 ウッドボウル タブ

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49,500円(税込)

完売しました


盛永省治 ウッドベース タブ

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44,000円(税込)

完売しました

盛永省治 プレート ウォールナット

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44,000円(税込)

完売しました

盛永省治 ウッドボウル ユス

盛永省治 ウッドボウル ユス

22,000円(税込)

完売しました


盛永省治 スツール 山桜

盛永省治 スツール 山桜

77,000円(税込)

完売しました


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