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中国貴州省 少数民族の竹かご
2013年秋、2014年春と連続して中国の貴州省を旅しました。
広大な中国大陸の内陸、直行便は無いため経由便を使い、またそこから陸路でひたすら…。
そしてそこに暮らす少数民族の暮らしや手しごとを見に。
（→貴州省の旅の様子はこちらからどうぞ。）
貴州省は少数民族の宝庫として知られ、苗族（ミャオ族）やトン族の藍染めの文化などは見事です。
藍染めや民族衣装や、その暮らしを見に行った僕を魅力したのは、
思いがけず竹かごでした。
貴州省の竹かごとの出会い
実は貴州省の手仕事（竹かごや陶磁器）との出会いはこの旅が初めてではありませんでした。
貴州省の竹かごや焼物はとても美しく、力強いものが民藝館などにも収蔵されていますが、
熊本の「工藝きくち」というお店のご主人の菊池典男さんが早くから貴州省に行かれて、
日本にその手仕事を広めていました。
僕はある方からの紹介で菊池さんのところに出入りするようになり、
いつかの夜、ご飯を食べながら菊池さんから貴州省の奥の奥へ分け入って買付けをした話を聞き、
偉く興奮したのを覚えています。
残念ながら菊池さんはご本人は近年からもう貴州省には入らなくなってしまい、
菊池さんの集める貴州省の手仕事は手に入らなくなってしまいましたが、そのかわり、
僕が行って買い付けてくることを快く了承してくれました。
生活の道具（荒物）としてのかご
貴州省を旅していれば、本当にいたるところで竹の道具を見る事ができます。
都会化された省都の貴陽でさえ、まだわずかにその匂いを残します。
ある町の竹問屋街。仏具屋さん、生地屋さんと軒を連ねる。どこの国でも問屋街はワクワクする。
田舎町、村、では竹は何をするにも重要な資材。
建築はもちろん、家の庭や畑の柵、にわとりを飼うかご、キッチン道具、etc...
知られていないけれど、貴州省も四川省に劣らずなかなかの辛い料理の産地。
唐辛子は本当に沢山使われ、種類も色々あるようです。
川で野菜を洗ったり、畑から野菜を取ってきたり、藍染めの布を入れたり。
もう、かごが当たり前。素敵です。
市場に入ればもう、そこかしこで竹が活躍しています。
野菜や果物、肉に卵、そんなものを入れたり、
麺茹でや箸置き、などなど。
これは僕の思い込みだと思うけど、
こういうかごを持っている人は、なんだか良い顔をしていて、話しかけやすいような気がする。
秋に出かけた時は、この地方特産のみかんが出回り始めていて、それが鮮やかだった。
春に出かけた時は、わらび、苺、菜の花。春の味が満載。
市場は飽きない。同じ所に行っても季節が違えば、時間が違えば、全く違う顔だから。
人それぞれ大きさや編み方、形が若干異なっていますが、
市場の人達は使い込んでいるので実に美しい竹かごを見る事ができます。
自分のかごもこんな風になっていったら良いな、と。
日常の道具だから、少々粗い。作りは粗い。
日本の精巧でまさに工藝というものとはちょっと違う。
（日本にも良い荒物もありますが。）
まさに荒物だなぁ、と。思わず感心するのです。
このくらいの作りで良いんだ、と。
少数民族が暮らしのための民族衣装を脱ぎ、洋服に変化しつつあるこの時代に、
竹かごは民族衣装が廃れるのよりはやや遅いスピードで、
しかし着実にその仕事の場を金属のかごに奪われつつあるような、そんなタイミング。
金属とて、実に精巧に竹かごの形を真似してあるため、
いかにこの竹かご達が生活の中で使いやすいよう、形状を進化させていったのかが伺えます。
こんな編み手達から譲ってもらっています。
僕が訪れた町、それでかごを編んでいる人、その家族はこんな感じの人達です。
みんな笑顔が豊かで、お茶目で、１個でも多く日本に持って帰らせようと時に必死に売り込む。笑
ご飯の時間にお邪魔しても嫌な顔一つせず、奥の倉庫まで連れて行ってくれて。
明日来るよ、と言えば家中の在庫をかき集めてみせてくれる。笑
たくましくも純朴な人達。
おっちゃんはまごにたじたじ。引出物につかうこの衣装かご編みの名人。
子供もおばちゃんも恥ずかしがりだったこの母子。持ち手付きのかごの上等なものを編む。
おばちゃんたちはガハガハ笑い、とにかく商魂たくましい。タバコ吸いながら強面のおっちゃんが編むのは中国ならでは？
見るからに個性豊かでしょう。
他にもいっぱい面白いおっちゃん、おばちゃんがいますが、結構みんな恥ずかしがりでなかなか写真を撮らせてくれません。
豊かなmade in China。穏やかな荒物。
どうぞ日々の暮らしのスパイスに。
中国貴州省 少数民族の竹かご 商品一覧