波佐見焼は長崎県で焼かれる伝統的な焼物。有田焼の下請けとしてその名前が知られていませんでしたが、近年注目される産地の1つです。




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波佐見スペシャリスト達の誠実なものづくり

波佐見焼


波佐見(はさみ)焼という焼物の400年以上の歴史を持つ伝統産地があります。
良質の陶石を用い、シンプルで柔らかい、美しい器たち。


「みんげい おくむら」は、一見波佐見らしくないカラフルな器(HASAMIブランド)に出会い、魅了され、
その生産者で、この伝統産地で積極的に新しいものづくりを行っている馬場さんを訪ねました。
(いきなり訪問してくるお店なんてほとんど無いらしく、びっくりされましたが!笑)
そして「量産の手しごと」という、波佐見独特の仕組みに驚き、 一見らしくないものに潜む
「らしさ」と更なる可能性を見つけました。

中尾の町並み。 工房の道具達。 同じく工房の道具達。


400年以上の伝統産地。長崎県波佐見町。

博多からバスで約2時間。周囲を山々に囲まれた、静かな山間の町に降り立ちます。
隣は器の産地で有名な佐賀県有田町。そしてこちらは長崎県の波佐見町。
長崎県でありながら唯一海に面していないこの町はついつい有田の延長で佐賀県と勘違いしてしまいます。
それもそのはず、400年の歴史を持ちながら、近年有田の下請け仕事で産地の名前が
なかなか表に出て来なかったためか、町の名前や場所の印象は薄いです。

しかし、波佐見焼には良質の陶石を用いたその独特の美しさがあり、
また、独特の分業体制で、全国の約13%の日用食器を生産している言われ、
私たちの生活に知らず知らずに溶け込んでいます。


工程毎に分業する独特の仕組み

バス停で初めて出会った馬場さんは印象深い風貌からは想像できないほど柔らかで穏やかな青年。
早速車に乗り込んで町を回ります。
「波佐見は町の4割の人が焼物関係の仕事をしているんですよ。まるで都会の主婦が
スーパーでパートをするようにこっちのおばちゃんは焼物の仕事をする。」と話す馬場さん。
確かに、中尾と呼ばれる集落のあたりはどこを見渡しても窯元の煙突が目立つ。
こんな町の姿は見た事ありませんが、山間の町にレンガの煙突が美しく、とても印象的です。

町のそこかしこに陶器が活かされる。 いたるとこに煙突。 工房から外を覗くと周りも皆工房。


波佐見焼は、型作りと生地作り、釉薬、窯焼き、とそれぞれの作業を
それぞれ専門の会社が担当する分業体制を取っています。
1つの工場内で担当者が分かれているというのはよく聞く話ですが、これは不思議な感じがします。
「分業」や「会社」と聞くとなんだか身構えてしまうし、工場での大量生産をイメージしてしまいますが、
この産地にはそんな心配は無用。

「窯はうちのとうちゃんの…、生地もとうちゃんの〜で、型はとうちゃんの(略)」と馬場さん。
そう、どこも古くからの馴染みで、馬場さんのお父さんの同級生や幼馴染み世代が家族で
やっているような工場がほとんどなのです。
以下、各工程の作業風景をご覧下さい。


【型作り】
雑然とした工場の風景。 この「手」に全国各地から依頼が。 張りつめた独特の緊張感。

よく働く道具達。 型はミリの世界の勝負。 こちらは年期の入った道具。


【生地作り】
天草の陶石。 型に適量を入れる。 機械によって整形。 生地が出来上がる。

機械もミリの勝負。 こだわりを語る職人の顔は輝く。 滑らかに仕上げられ窯へ。


【窯】
生地屋から持ち込まれ素焼きされる。 その後お母さん達が絵付け。 可愛らしい鳥獣戯画モチーフ。

釉薬がかけられ。 ガス窯で本焼成。 昔の面影、登窯。


作業ごとに専門の会社が請け負うこの仕組みの問題点は、意思疎通ですが、
馬場さんはそれを直接会い、想いを伝えることでクリアしていると言います。
確かに型屋さんも生地屋さんも窯元も、若い馬場さんを軽んじることなく、
受け入れ、新しい商品を作っていくことに前向きです。

そんな風土はそこかしこに見え、各工程の職人さんがどこにこだわったかを本当に真剣に
話してくれ、それを次の工程にどうつないでいくか、という前後関係まできちんと考えられいました。

例えば、型屋さんは土の特徴を理解し、土の縮みを考え、焼き上がりの大きさに合わせて型を作る。
生地屋さんも強度を考え取っ手とマグのつなぎ部分の接合に気を使う。そしてこの各工程の職人達が集まり、
意見を戦わせ、またそれぞれの工程に戻り、1つの焼物を作り上げていく。

波佐見焼の未来

分業、量産と聞くと何か凄く「機械的」な印象がですが、
波佐見のそれは紛れもない「手しごと」であるし「職人の技」なのです。

波佐見の焼物が美しいのは単に陶石の良さではなく、
各工程のスペシャリスト達による精度の高い仕事の繰り返しなのです。

最も印象的だったのは、
馬場さん達20代の焼物に携わる人達が、一様に明るく、自分達の仕事に誇りを持っている事。

今までいくつもの産地で「後継者不足」、「この職人がいなくなったら…」という話を聞いてきました。
この産地も決してそういう状況がない訳ではないです。
しかし、彼らのエネルギーに触れるにつけ、
彼らが今回作り出した「HASAMI」ブランドがそうであるように、
従来の「焼き物」の枠を取り払って、我々の生活に根付くような道具の登場をこれからも期待せずにはいられません。


「みんげい おくむら」ではHASAMIシリーズをきっかけに波佐見という産地の特徴ある器を少しずつ増やしていきます。
どうぞ御期待下さい。


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