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堀内果実園訪問記2013年春
ちょっとアップが遅くなりましたが、4月。奈良の堀内果実園さんを訪問しました。
奈良県の五條市。西吉野、と呼ばれるあたりにあり、
意外と遠い。行きにくい場所です。笑
最寄りの駅に迎えにきてもらって、しばらく走ると果樹園が目立つようになります。
春の果樹園。若葉がとにかく美しい。遠目からもその生命に満ち溢れたエネルギーが伝わってきます。
急勾配の坂道、山道をぐんぐん上がっていく。
畑の傾斜も凄いんですが、何せ果樹の数も多くて、いったいどんな風に作業をしているのか全く想像がつきません。
後から堀内さんに聞いた話では、収穫の時期などは当然機械で収穫出来る訳も無く、
その時期だけの働き手を募集するのだそう。すると、各地で季節毎にそういう仕事をしながら働いている
若者などが集まってくるのだと。ジャックケルアックの「路上」の世界。びっくりしました。
実はこのところ、食べ物が作られるところ、加工されるところを改めて見る事が多く、
(台湾の東方美人の農家さんなんかもそうですね。)
改めて口に入れるものはいかに安全で安心なものが良いのか、痛感しています。
話は戻りますが、パッケージされた堀内果実園のドライフルーツはとてもお洒落で綺麗で、
どこか大きな会社が作っているかのようなのですが、
堀内夫妻を始め、自社農園で丁寧に、小さくスローに作られているものでした。
国産、無添加のドライフルーツも今や色々あって、どう選んで良いやら悩ましいのが実際。
堀内さんは6代目。100年クラスの柿の木が山のてっぺんにある景色は壮観。
山の一番上の畑を持っていて、かつ特別栽培。農薬の使用には相当気を使っています。
これが山のてっぺんの100年の柿の木。
枝がどこまで伸びているか、わかりますか?
写真で切れている左側もあわせるとその長さたるや…。
新緑の時期ならこの1本の木の下で一家、親戚、一族で集まれるのじゃないか、と思うほど。
驚くべきことにこの老木もしっかりと、そして素晴らしい実をつけるのです。
食べ物と道具を改めて考える。
今や食べ物も「どこで」でも「いつ」でも「なん」でも手に入る時代。
そもそもどこで作られていたのか?いつが旬なのか?そんなものがとてもわかりにくい。
果物だってそうだし、まして果物は昨今「良い果物=糖度が高い」みたいな風潮があって…
だとしたら堀内さんのところのドライフルーツのスモモやブルーベリーはその枠から外れてしまうでしょう。
酸味がたまらなく美味しいと思うのだけど…。
堀内さんのところのメインの生産物は柿と梅。
吉野と言えば柿、という歴史がある。
またこの地区は和歌山に隣接しており和歌山ほどメジャーではないが梅も似たようなものが作られている。
堀内果実園「らしい」、堀内果実園「でなくてはならない」果実がきちんとあって。
そこが何よりも嬉しかったところです。
自分のところで作れないが、ドライフルーツにしたい果物、お客様から求められた果物は、
同じような生産をしている別の産地から譲ってもらっている。と言います。
これもまた正直だし、堀内さんのところを見れば他の人が作った果物だって同じ信用ができる。
うちが扱っている民藝と呼ばれるものや手仕事の生活道具も、多くは、
本来その土地の材料で、その土地の人達のため、生活様式のため、作られたもの。
道具の世界も、「どこで」「いつ」「なんのため」のものかが見えにくくなってきた時代。
一見、うちの取り扱い商品の中で道具と食べ物はバラバラに見えるかもしれないけど、
それを作る背景にあるものは極めて近いもので、共通部分が多い。
堀内さんの奥さん、奈穂子さんはこの春の時期、
柿の若葉が一瞬だけ産毛に包まれる、その時が大好きだと言いました。
シーズンにより、全く姿を変える果実園をしばらく追ってみたいと考えています。
春はそのスタートです。
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