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景徳鎮


景徳鎮という陶磁器産地の今



湖南省の省都、長沙を出発した中国版の新幹線は、
江西省の省都である南昌を通過し、鷹潭市に向かう。
景徳鎮には新幹線は通っておらず、鷹潭北駅で新幹線を降り、
バスかタクシーで在来線の鷹潭駅を目指し、そこから景徳鎮へ。


長沙から鷹潭北までは2時間半弱。
駅から駅への移動は20分ほど。
そして鷹潭から景徳鎮までまた2時間ちょっと。


およそ半日移動、ということだ。


そろそろ到着、というあたりから車窓に煙突が見えてくる。
窯場だ。
かなり広範囲にそれが見られ、この産地の大きさを想像する。


景徳鎮の駅に着くと、駅前は再開発で目の前の道路がボッコボコ。
駅前は高い建物もない。
駅前の大通りを十字路まで五分も歩けば右側に高い建物群が見えて来る。
どうやらオフィスビルや商業施設のよう。

その横、裏手あたりで、「おお、これぞ焼き物産地」という景色に出くわす。
販売店がこれでもか、と密集する場所。


さて、そのお店の並びを冷やかすと「う、う、ううう。」という感じ。
日本でも同じですが、量産の個性も無いものが並ぶ店、
技の限りを尽くしたような、圧倒的な値段の店。
惹かれない。全く惹かれない。

あんまりにも惹かれないのでこのエリアの写真を撮り忘れた。
すいません。


景徳鎮
(町を歩いていて、ふと視界が開ける場所に出るとこんな感じ。どこかに必ず煙突が見える。)



景徳鎮で見られる今の焼き物(大半が磁器)は、まるで味気がない。
残念なことだが、語るべきものはほぼない。



景徳鎮の古陶を探す




現在のものがあまり見るべきものがない、というのはある程度予想していたこと。
それならば、と古いものが見られる場所を探す。

商売柄か、変な嗅覚か、そういうのを探すのは得意なので、
この町でもいくつかそういったものが見られる場所が見つかった。


ただ、中国全般に言えるのだけど、
骨董というジャンルで評価されるのはだいたい官窯のもの。
つまり、民藝的なものは簡単には見つからない。
染付のものすごい高度なものや、繊細なものばかり。


景徳鎮


面白かったのは、この窯具をひたすら軒先に並べていたお店。
景徳鎮は昔は薪窯だった。(後述します)

薪窯で焼かれた染付の磁器の風合いというのは良いものなんだけど、
その焼き物を入れたりするのに使われたこの「さや」の表情はたまらない。


景徳鎮


そしてこのお店。
壺、甕、大物しか扱っていない。
それも、近代の(おそらく清から現代で薪窯の)ものばかり。


表情が良いし、安い。
ただ、持ち帰れないよなぁ。

今回は諦めるが、欲しい人が100人くらい見つかれば、ぜひ日本にもってきたいと思うもの。



次では、現在の景徳鎮の物作りのあり方を紹介します。




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