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鯖


2月 鯖(さば)



この魚の歳時記シリーズ第一弾。
年間通してとてもよく食べるけど、今の時期がベストなもの、「鯖」(サバ)です。

寒サバ、と呼ばれるくらいですから冬が良い。
冬のサバは脂のノリが一番良く、しかも良質の脂です。
12月から2月くらいまでの鯖が最も美味しいと言われます。


ただ、ここで言う鯖は「真鯖」(マサバ)です。
日本で流通する鯖は「真鯖」か「胡麻鯖」(ゴマサバ)のどちらか。
胡麻鯖は下に見られがちですが、案外そうでもなくて、
一年間あまり脂のノリが変わらないのが胡麻鯖。
胡麻鯖が安ければ、それを試してみるのも一つの手です。


上の写真のものは、房総の真鯖で2015年2月の上旬に買ったもの。
丸々と胴が太く、1kgを超える大物です。



刺身で食べたいけれど…まずはしめ鯖



鯖の刺身、食べたことありますか?
あれ、たまらないですよね。


でも、鮮度の良さそうな鯖を買ってきたからって「絶対に」お刺身で食べるのはやめましょう。
(アニサキスという一般的な寄生虫がいますから、「アタります」。腹痛、嘔吐…怖いでしょう。)
お店で出す鯖の刺身は、生きた状態で締めて、血を抜いたもので、
そういった鯖で無い限りお刺身で食べることはできません。ここは要注意。


冷凍か加熱によってアニサキスは死滅するので、焼いたり、煮たりすればアニサキスのことは
忘れてしまっても良いでしょうが、しめ鯖の美味しさ、というのもなんとも捨て難い魅力です。

酢で〆るくらいではアニサキスは死滅しません。が、買ってきたら出来るだけ早く内蔵を取り除き、
(もともとは内蔵に寄生していて、魚が死ぬと、アニサキスが身の方に移動したりするそう。)
捌く時に肉眼で寄生虫をチェックしながら(肉眼で見えるサイズです。)、
もしアニサキスが見えたらしめ鯖は諦めて、加熱にしましょう。


もし、アニサキスが大丈夫そうであれば、しめ鯖にトライ。
〆時間が長ければ、アニサキスが死ぬんじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、
〆時間ではアニサキスの状態は変わらないのだそうです。
そこもご注意下さい。


さて、そこまでしてしめ鯖が食べたいのか?と言われたら、迷わずイエス。
食べたいんです。

だって、美味しそうでしょ?いや、美味しいのです。


しめ鯖
(器は小代焼ふもと窯の六寸の二本線皿。これ、刺身類にとってもよく合うお皿です。)



鯖の選び方



基本的なことですが、スーパーで、市場で、魚を選ぶ時。
優しい店員さんだったら、「良いやつ下さい!」でいいのだけど、
なかなかそうもいきませんよね…。


まずは最初に「目」。
これが血がまわっちゃって真っ赤になっていたり、
ちょっと鮮度が落ちて濁ってきたりしていたらやめときましょう。
透明感があって、明るい未来を見据えていそうなやつ。笑


サバの選び方


そして、全体的にキズや打ち身などがなく、ツヤがあり、
お腹がぷっくらと張っているかどうか。
お腹のハリが良い寒サバは脂が多いので、しめ鯖でも焼いても、味噌煮でもまことに旨い。



鯖を捌く (サバのさばき方)



いざサバを仕入れてきたら、出来るだけ早く捌きましょう。
やり方は…検索すればいっぱい出てきます。笑


鯖をさばくには、出刃包丁(小さめなら小出刃でも)、あるいはよく研いであるものなら、
万能包丁でも大丈夫です。鯖は形が特殊な魚ではありませんから、専門的な道具は要りません。

■鯖をさばくのに必要な道具
・包丁(出刃or万能)
・ホーローやステンレスのバット
・ふきん(血を拭き取ったりするので使い古しのものを「魚用」にすれば良し。)
・ごみ入れ(ボウルでも良いし、スーパーの袋なんかでも)
・骨抜きか歯ブラシ(身の掃除用)


では、さばいていきます。ここからは連続写真と雑な解説でどうぞ。
ちなみに、ワタクシ左利きなので、右利きの方には違和感があったり、
わかりにくい写真になっているかもしれません。悪しからず。


まず、胸びれの近くにうっすらウロコがありますから、包丁の刃先でさささっと掃除。
水を流しながらシンクで作業すると良いでしょう。

つづいて、胸びれを持ち上げて、斜めに包丁を入れ、ひっくり返して同じように包丁を入れ、頭を落とします。


サバの捌き方


あー、そんなの一文で簡単に書かれちゃうけど、実際やるとどう刃を当てて良いかわからないんだようね。
という方、とりあえずやっちゃって下さい。
頭の方もお味噌汁にしちゃえば、多少もったいない切り方でも、綺麗に切れなかったとしても大丈夫。


サバの捌き方


続いて、頭を落とした時にデロンと出て来た内蔵を取り除いていきます。
肛門がありますから、そこに刃を入れて、お腹の方までビビビビビ。(逆にお腹から肛門まで切ってもOK)。

包丁を中に入れて、内蔵をテロっと取り出します。ぐぐぐっと力を入れて、内蔵を切り取ります。
ここは慣れないうちは包丁ではうまくできないかもしれません。そしたら手で。
目的は内蔵を取り除いて綺麗にすることです。焦らず、怪我しないようにやりましょう。

頭を落としたり、内蔵を出したりするたびにまな板が血で染まります。
血は臭みになります。
適時、濡れ布巾でまな板をぬぐってきれいにしてあげてください。


取り出した内蔵はゴミ袋へポイ、と。
(大きな鯖なら肝は別にしておいて、おつまみにしたりもできますし、卵が付いてる時も同様。)
先に落としてあった頭は、のちほど骨と一緒に味噌汁にしたいので取っておきましょう。


つづいて、


サバの捌き方


よく見ると、骨の近くにいっぱい血が残っていて、その上に薄い膜みたいなものがあるのがわかります。
血は臭み!ですから、これを取り除く。まずは包丁の刃先でこの薄皮みたいな膜を骨に沿って、ピピピっと切る。
そうすると写真のように血がドドッと出てきました。

これを流しで洗い流してあげれば良いのだけれど、ただ水を当てただけではなかなか血が落ちないし、
真水というのは魚の旨味を逃してしまうから、出来るだけ短時間で綺麗に仕上げたい。
その時に、魚の骨抜きの柄の部分や、歯ブラシが役に立ちます。

しめ鯖を作るには骨抜きは必須なので、どうせならまずは骨抜きを用意しちゃってください。

ここも、骨の回りの血がなかなか上手く取れないかもしれませんが、結構力入れてゴシゴシやって平気です。
慣れないうちは時間を短くすることよりも、きちんと綺麗にすることを意識してやりましょう。


そうして、お腹が綺麗になったら、キッチンペーパーかふきんで、お腹をふいて、
血の残りや、無駄な水分を拭き取ります。


そうすると、こんな感じになりました。


サバの捌き方


お腹の方、脂がたっぷりありそうでしょう!
(ここまでは基本的な魚の捌き方なので、これができるようになれば大体の大衆魚は捌けます!)



では、次のページから、いよいよしめ鯖の作り方。

ちなみに、魚屋さんで、「しめ鯖用に三枚卸して!」というのがやってもらえるのであれば、
もちろんそれでもOKです。その場合は次のページの途中のところからスタートになります。






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