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井上泰秋飯碗



小代焼ふもと窯 井上泰秋さんの飯碗



キャリアが結実している。
そう言うと生意気だろうか。


井上泰秋飯碗


井上家の人たちは努力の人たちだと思う。

声が大きく、朗らかで、
そのことがどうしても先に立つのだけれど、

努力によって才能を伸ばしてきたのであろうことは想像に難くない。



工房のラインよりもちょっと値段はするのだけれど、
当主井上泰秋(たいしゅう)さんの手で作られる飯碗がとても使い勝手が良い。


ふだん意識せず、気がつくとこれを手に取っている。



泰秋さんの仕事で好きなものといえば、
この飯碗。
それに片口、急須。


数十年やってくると、やはりどこか自分の好きな、
決まった形というのができてくるのであろう、
安定感だ。



井上泰秋飯碗


うちで使っているものは、
海鼠釉(なまこゆう)が飛びそうなぐらい、
カチンカチンに焼かれたもので、
黒っぽい中に青がすこーし、というぐらいの見た目のもの。


このぐらいの色をお願いします、
なんて窯で言えば、みんなに苦笑いをされる。


これを狙ったら、大半のものは焼きすぎブクが出るか、
好ましくない色になってしまう可能性がある。



形も色も自分好みのものを、
となると僕みたいにしょっちゅう窯に出入りしている人間でも
そうは出会えないものだ。


そうやってやっと出会った、
と思ったものでも、

いざ我が家の食器棚に置かれると、
案外手が伸びなかったりもする。


うちの泰秋さんの飯碗は、
そういう意味では、
良き出会いでもあったし、良き相棒にもなった、
という理想的な買い物であった。



井上泰秋さんの飯碗、おすすめです。



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