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WEST SIDE 33
鍛金工房 WEST SIDE33 工房へ

京都市から外れた郊外にWEST SIDE 33の工房はあります。
夏の盛りを過ぎた時期に訪問しましたが、暑い。とにかく暑い。


鍛金のものは表面積が広く、熱伝導が良く、味が染みやすい、美味しく仕上がると言われます。
そんな道具を作る鍛金工房を訪ねてみました。




近づくと何やら作業の音がしている工房。
ドキドキと胸が高まります。

職人達が黙々と自分達の作業をこなす工房の中は
扇風機が回っているとはいえ、灼熱の暑さです。




アルミ板の切り出し、成形、仕上げ、洗いなどそれぞれの持ち場で職人達が作業をしています。

方々からの作業の音、ラジオの音、ぬるい風。
全てが工房の雰囲気を作り出しています。


出来るだけ日常のものをそれらしい値段で届けたい、という職人寺地茂さんの思いのもと、
生み出されるWEST SIDE33の生活道具達。


工房には無数の道具や型見本が雑然と置いてあり、
各職人の仕事を見ながらその仕事道具を見ているだけで更にワクワクしてきます。




工房の外には職人達の汗だくのTシャツが干してあります。

一日に何度も着替えなくては仕事にならないそう。ガラス吹きの工房と同じです。


実際工房を見学しているだけで汗が額を、背中を流れていきます。

寺地さんに「暑いからもういいでしょう。」と何度も言われますが、
職人さん達のリズミカルな作業が楽しくてなかなか離れることができません。



若い職人が寺地さんにアドバイスを求めます。

決して楽な仕事でも無いし、給料が高いわけでもないけれども、
作家志望ではなく、職人志望で若い人が工房に入ってくると嬉しそうに寺地さんが話します。



左:アドバイスをする寺地さん。 中:右のアルミが左のスプーン。 右:現在鍛金のメインは息子さんに。



自分の作った鍋がブランド名を付け、百貨店で法外な値段で販売されることを嫌い、
自分達の思いを伝えるファクトリーブランドとして生まれ変わったことで生まれた
WEST SIDE 33の生活道具達。

寺地さんは、本来の京都の職人仕事は偉ぶらず、庶民のものも多くあったと言います。
いつの間にか京都ブランドとして持ち上げられ、ただの生活道具のはずが、
やたらに高く、日常のものを離れてしまったことが残念だと言います。



WEST SIDE 33の道具達はそんな志がたっぷり詰まった京都発の生活道具なのです。