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目的地
(中国は模造品・コピー品が多いと言われるが、それは確かにそう。骨董も怪しいものだらけである)


目的地



この仕事を始めたのが2010年。
この仕事としては、2013年から中国に通っている。


目的地はどう決めるんですか?と聞かれることがある。
特定のモノ?


そういう場合ももちろんある。
例えば、2013年に行こうと思ったのは、
それまでに追いかけたアジアの藍染めの源流というか、
より深いところを知りたくて結果的にそれが中国だった、という感じ。


しかしその時も、実は旅は二本立てで、
貴州省から四川省に飛んでいる。
そこで事業を興していた友人に会うためだった。
(正確には広東省経由で行っており、まずそこで最初に古い友人に会ったりもしている)


目的地
(この年四川で初めて本気の火鍋を食べた。辛さと油の多さで腹と尻がえらいこといなった。)


行けば本屋などで情報を集め、
次の候補地を考えたりもしたが、
それも情報の正確性やまとまりに欠けるものが多く、

貴州省や雲南省へ行くための乗り継ぎとして、
どこか新しい町に行ってみたり、


目的地
(福建省の省都の福州は乗り継ぎがきっかけ。特に期待もなかった町だったが意外に居心地良く今ではできれば立ち寄りたい町。)




航空券が安かったから、
航空券を取ってからどこに行って何を探すか考えた、
などという旅もある。

驚くべきことに、
2019年まではものの三万円ほどで往復できる航空券がゴロゴロあったのだ。


そのぐらいのハードルの低さに加え、

拙著にも書いたが、
例えば雲南省ひとつでも日本より広いぐらいなのだから、
大抵はどこに行っても何かしら見つかるはずだ、
と楽観的に考えている。


実際にはなかなかそうもいかず焦ったりすることもあるのだが、
多くの場合なんらかの良い工芸に出会えている。


この辺の動き方は、おそらく性格?本能?なのではないだろうか。
僕は考えてから動くタイプというよりは、
動きながら考えるタイプ。
だからとりあえず動いてみるんだろうと思う。



中国は田舎へ行けば行くほど、
英語など通じればラッキーという状況になるので
中国語はできないよりはできた方が良い。

僕の中国語も挨拶に毛の生えた程度ではあるのだけれど、
ゼロよりは格段にマシだと思う。


あれ、なんの話だっけ。
ああ目的地選びか。



そう、そんな訳で、
ねらい定めていくこともあれば、
フリースタイルでとりあえず行ってみる、
ということもあって、

2023年以降もそんな旅でありたいなと思っている。


為替や情勢次第ではあるのだけれどもね。