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株式会社 奥村商店
〒273-0005 千葉県船橋市本町6-19-8-602
お問い合わせ：orderinfo@mingei-okumura.com
電話：047-404-3960
（※買付や不在時は対応致しません。１人運営のため極力メールでの問い合わせに協力下さい。）
営業時間／平日 10：00〜18：00（土日祝祭日は定休日）
店舗責任者：奥村 忍
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（2022年4月 小鹿田・坂本浩二窯のいつもの作陶風景から。）
坂本浩二さんの壷
2021年から2022年にかけて、
小鹿田焼坂本浩二窯の当主である坂本浩二さんにずっと壺を作ってもらってきた。
かねてから浩二さん自身が、
一合壷から特大の壷まで、どれも同じ形で作れる。
という話をしていたから、
ならほんとにやってみてくださいよ。
とお願いしたのがこの企画である。
（2012年の坂本浩二窯。まだ息子拓磨さんが仕事に入る前で、浩二さんの父、一雄さんと二人体制の頃。）
大物作りの名手、そして
坂本茂木、柳瀬朝夫。
一代前の小鹿田焼の名工たちの仕事を見ても明らかなように、
大物作りが上手い陶工は、
小物も実に良い。
大物の形が小物に宿る。
小物ばかり作る人の大物は、
形が定まらなかったり、頼りなかったり、
堂々たるものにならないのだ。
大物の需要が無くなり、
あまり作られなくなってきた現代では、
小鹿田でも現役の陶工で大物作りに長けた人は一握りとなってきた。
坂本浩二さんはその中のまさに名手であり、
だからこそ、未来の世代に警笛を鳴らし続けている。
それは小鹿田に限ったことではなく、
民藝と呼ばれる世界の陶工全般に。
（2017年の12月、大皿作り）
当店ではかつて小鹿田の人たちに火鉢を頼んだことがある。
これもまさにこの浩二さんとのやりとりの延長にあるもので、
現在の当主たちの中では一部作ったことがある人がいるものの、
定番としては作られておらず、
若い人たちにはその経験が殆どない。
そのため、坂本浩二窯、坂本工窯、黒木富雄窯（現・黒木昌伸窯）の皆さんに
火鉢作りをお願いした。
それぞれの経験や個性が出た面白い仕上がりになったが、
ダントツで安定感のあるものはやはり坂本浩二さんのものであったのは間違いない。
満を持して、その時に
ということで、
2021年の後半からいよいよ坂本浩二さんに壷づくりが始まった。
一年掛けて、内容も全てお任せで毎窯、焼いて欲しいと。
窯焚きが三回終わり、あと二回と言うところで、
浩二さんが諸事情で手術を受けることになり、
ちょっと窯を離れなければいけなくなった。
幸い、作りためていたものが浩二さん不在の窯にも入ったので、
まる一年かけて作ってもらった、ということに偽りはないのだけれど、
（そんなこともあって、特大の壺は無いのはご容赦頂きたい）
（家にいくつかあると嬉しい、壺。）
手術で筋肉を切り取った部分があるので、
術後はそれ以前とろくろの挽き方が変わった。
その後、
順調に仕事のペースは戻ってきてはいる（本当に嬉しいことだ）が、
予期せず、
今回の壺たちが、手術前の浩二さんを表すものとなってしまった。
今後も後世に残るものを生み出すであろう坂本浩二さんの、
2022年までの形として、
当店が提示する、小鹿田焼・坂本浩二さんの壺。
ゆっくりご覧ください。
坂本浩二さんの壷 商品一覧