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台湾茶を巡る旅


台湾最高峰の茶産地 梨山



梨山茶。台北の茶藝館なら大体置いてあるお茶です。
高山茶の名産地で、梨山というだけでブランドになる、そんな産地です。


面白いことに、お茶の栽培としては歴史が浅く、30年ほどの産地だそう。
しかし、この産地は名前の通り「梨」や、「リンゴ」など果物も有名だし、
高原野菜としてキャベツなども有名な産地です。


台湾茶を巡る旅


この写真のように、茶畑の中に果樹が植わっているところもよく見かけます。
とても不思議な光景なのですが、この産地では当たり前のよう。


標高は2,000mを超える場所も多々あります。
本当に高地です。
10月末でも、しっかり涼しい。夜はとても気温が下がり、寒い場所です。
そのことがお茶を美味しくさせる要素でもあるのだそう。


台湾茶を巡る旅


訪れた10月末は、まさに冬茶の最後の収穫時期でした。
上の写真もお茶の収穫をしています。
果物の木が多いから、何をしているやら全然わかりませんでした。


台湾茶を巡る旅


台湾茶を巡る旅


霜が降りればシーズンが終了。
訪ねた時期はちょうどもうそこに差し掛かった状況でした。
最後の最後の生産に終われる製茶場。
入るとふわっと茶の香りがします。



梨山のお茶



中国茶、台湾茶では「山気」と呼ばれる言葉があります。
ここのお茶はまさにそれを感じるもの。


台湾茶を巡る旅


寒暖の差の激しい土地、霧が立ちこめて、また晴れて…
そんな山の雰囲気を感じさせます。


この産地でもいくつもの農家あるいは販売店で試飲をしましたが、
それぞれ個性があります。


台湾茶を巡る旅


最近の台湾茶の全体の特徴として、焙煎を抑え香りを重視した軽い感じのものが多いのですが、
個人的にはどっしりとして、鼻先よりものどにしっかりとお茶の旨味を感じられるものが好きなので、
そういったものを探し、いくつか買い求めました。

台北で買っているものと、飲み比べるのが楽しみです。


話は前後しますが、ここの土地で作られているお茶はおおよそ青心烏龍という茶樹です。
一般にこの産地は冬茶が良いとされます。

春、夏、秋、冬、産地毎、どの時期が良いのか、違いがあります。
そして、最も良い時期以外のお茶もあります。
色んなものを試飲させて貰うと、より良いと呼ばれる時期の個性がわかるし、
かといって例えば梨山は夏茶も悪いものではありません。
2016年は好天に恵まれたため、全般的にどのシーズンのものも例年より良かったそうです。



せっかくなので高原野菜も。



ちょっと遅いお昼に到着しました。
せっかくなので地元の名店と呼ばれる店で、高原キャベツを頂きます。


台湾茶を巡る旅


確かに甘みが強くて旨い。
本当に旨い。
ただのキャベツ炒めに、ちょっと感動です。


梨山は町のいたるところで果物と野菜とお茶を売っています。
この町は、台湾の西側からも東側からも、
それぞれ結構な時間がかかるのですが、たどり着くことができます。


僕らは西側から行きましたが、途中、武嶺という3,275mの峠を通ります。
夕方に梨山を出て、ここで日没。
気温は一桁になるほどですが、空気が美しく、日没の時間は絶景です。


台湾茶を巡る旅


夕焼けと月の美しい時間。
ガクガク震えながら、暗くなるまでずっと見続けていました。


南投県から(つまり西側から)梨山に向かうには、
まず霧社事件で有名な霧社を通ります。
セデック族という原住民の文化を感じながら。

それを過ぎると、しばらくして清境農場というペンションやホテルが建ち並ぶ、
高原リゾート(日本で言うなら軽井沢??)に当たります。

(僕らは梨山を夕方に出たので、ここで1泊して帰りました。
なかなか空気も美味しく、良いところです。)


梨山に向かう場合は、清境農場を過ぎると、南投県から花蓮県に入り、
太魯閣国家公園という看板なんかが目に入ります。
タロコは西側、という印象ですから、如何に自分達が内陸に入ってきたのかを感じます。

この当たりで3,000mくらいになり、あちこちで絶景が見られます。


台湾茶を巡る旅


そして梨山は台中県ですので、
3県をドライブして梨山にたどり着くことになります。

いわゆる台湾の南国イメージとは大きく違う3,000m級の山々に驚くばかり。



さて、鹿谷、杉林渓、魚池、梨山と台湾茶の名産地を駆け抜け、
最後はいつもの北埔、東方美人の農家、古さんのところを訪ねます。
2016年台湾茶旅もいよいよ最終章。



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