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台湾茶を巡る旅


南投県 杉林渓



杉林渓(さんりんしー)は標高1600から1800m前後の、台湾でも有名な景勝地です。
高山茶は1000m以上の場所で取れたもの、が基準ですから、
ここのお茶は、主に杉林渓高山烏龍茶(杉林渓高山茶)、と呼ばれます。


上の写真を見るだけで、ああ、ここのお茶が飲んでみたい、と思えるような場所でしょう。


早朝、ご飯をささっと済ませ、鹿谷から杉林渓へ。
初めてなのでどこが良い茶畑の撮影ポイントなのかわからず、うろうろ。
何人かの情報を集め、ここぞ、という道に入って行く。

車がすれ違うのが困難な細い崖道を、地元の人たちはビュンビュン飛ばす。


ぐねぐねとそんな道を走っていると、急に視界が開ける。





「!!!」





台湾茶を巡る旅


これこれこれ。
高山茶の産地って感じじゃないか〜。


崖の下も、崖の上も茶畑。
ちょうど崖の上の方では茶摘みをしている作業が見える。


本当に急な地形なので、
お茶や人を運ぶのはトロッコやゴンドラを使っているらしい。
あちこちで、ぐねぐねと地形に合わせてトロッコのレールが敷かれている。



台湾茶を巡る旅


左上:山岳地帯での茶摘み風景。急斜面で斜面に立っているのもしんどい。すごい作業。
右上:トロッコ。ちょうど茶葉を山盛りに摘んで降りてくるところ。
左下:青心烏龍の木。11月の頭はちょうど冬茶の最後の収穫期。
右下:ゴンドラと杉林渓。見渡す限りの茶畑は壮観。そして空気が良い。



杉林渓 冬茶の茶摘み




見渡す限りの茶畑だが、茶摘みをしている畑は案外少ない。
トロッコのおじさんに、更に景色が良くて、恐らく茶摘みをしているだろう農家さんの場所を教えてもらう。
またも狭い道を心配になりながら走り、農園に到着。


台湾茶を巡る旅


確かに高くて、見晴らしの良い、大きな茶畑だ。


15人くらいの人達が茶摘みをしているが、みんな帽子に日除け、そして長袖なので、
いったいどんな年齢のどんな人達なのか全然わからない。
カメラを持って畑に入る。茶葉は朝露に濡れ、服はびしょびしょだ。笑
よく見ると、茶摘みの人達は市場の人達が着るような、ゴムのズボンみたいなものを履いている。
なるほどね。


茶摘みは、男女、年齢も様々だが、
やはり年配の人が仕事が早そうだ。


台湾茶を巡る旅



後で聞いたところ、農家さんは一人一人名前と収穫量を管理しており、
お給料は歩合制。つまり摘んだ量によって決まるのだそう。

若い人はすくないが、ベトナムから出稼ぎに来て働いている女性達がいた。
彼女達は若いが、中国語も達者で、熟練のおばちゃん達と軽口を叩いて笑っている。


台湾茶を巡る旅


ある程度、茶葉がたまると、重量計測し記録される。
農夫達はお茶を飲んで、一息。
(大きなやかんにお茶が作ってあって、ペットボトル一本分頂いたがさすがに旨い。)


台湾茶を巡る旅


上の写真、左の女性はホーチミンから出稼ぎに来ていた。
ちょっとベトナムの話をすると、懐かしそうに笑った。



この茶畑にいた一時間ほどは、最初非常に天気が良く、
標高が高いので日差しの強さに驚いたが、
しばらくすると崖の下の方から霧が上がってきた。
とたんに一面霧に包まれ、視界が一気に狭まる。

この霧がお茶を美味しくさせる非常に大事な要素なのだ。


台湾茶を巡る旅



杉林渓の烏龍茶の出来立てを飲む



いくつかの畑を見て、ここが最後、という畑で写真をバシャバシャしていると、
茶園の人が「まだ作り途中だけど昨日製茶したお茶飲んでみるか?」と。
まだ焙煎が残っているので完全なお茶ではないけど、なんとなくわかるよ、と。


もちろんもちろん。ありがたく味わうことにします。


台湾茶を巡る旅


製茶は男の仕事だ。
いくつもの茶農家を見てきたけど、製茶を女性が中心になってやっているところはまだ見たことがない。


試飲させてもらったお茶は、まだ中途半端ではあるけれど、
この山の新鮮な空気のような、軽やかでなめらかなお茶。

写真は一煎目でかなり薄い色だが、二煎目は淡い黄金色でとても美しかった。

杉林渓の高山烏龍茶は、軽い発酵で日本茶が好きな人にも馴染みやすいような、
少し緑茶のような青みを感じさせるお茶で、果実のような香りもスッと漂います。
じんわり甘みが出て…。うっとりします。

和菓子なんかも合わせやすいだろうな、と。


春茶と冬茶がこの産地は定番です。



移動、そして魅惑の台湾飯




冬茶の出来立て(いや、まだ出来ていない)を試飲して、山の香りを口いっぱいに残し、
いざ杉林渓を去ります。

いったん、竹山の町に出て、そこからまた移動です。

朝、たっぷりおかゆを食べたのに茶畑で興奮しすぎてもうお腹はペコペコ。
こんな時はがっつり牛肉麺でも。と思ったら、竹山に良いお店。発見です。


台湾茶を巡る旅


やっぱり、山に来たら山菜は外せません。牛肉麺屋さんらしく、牛ハチノスの煮込みも。
そして手前は台湾でルーウェイと呼ばれる国民的煮込み(台湾版おでんとも)。


台湾茶を巡る旅


こちらは麺屋さんによくあるワンタン。
「紅油抄手」と呼ばれます。お好みで辛みを足して。
自家製のワンタンのぷるぷる感。もうたまりません。



台湾茶を巡る旅


メインは牛肉麺。間違い無いでしょう。
高菜をどっさり入れて。


こちら、「竹山三塊厝牛肉麵」。
南投縣竹山鎮桂林里大智路中正巷22-27號


竹山でご飯に困ったら。とりあえずここはお勧めです。



この日の午後は日月潭方面へ。
次は紅茶の産地です。


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