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台湾茶を巡る旅


南投県 鹿谷郷



鹿谷(るーぐー)は日本で台湾茶としてはメジャーな凍頂烏龍茶の産地です。

高速道路を降り、竹山という町を過ぎ、ぐんぐんと登っていくと、鹿谷にたどり着きます。
鹿谷までの道のりは、甕仔雞という名物料理のレストランが何十、いや百くらいあるだろうか?
とにかくひたすらこのメニューを看板にした店が続いています。

これは甕で鶏を焼く料理なのだけど、この土地の名物だそう。


鹿谷の町の近くからはお茶の販売店や製茶工場が増えてきます。
茶産地なのだなぁと期待膨らむ瞬間。



鹿谷郷 凍頂烏龍茶が生まれる場所



ところで、茶にも種類があるって知っていますか?
茶の木。茶の木の種類のこと。


凍頂烏龍茶は青心烏龍という茶樹から作られます。


お茶の木って言ったら一種類だけってことはなくて実は沢山あるんです。

茶の木の種類、それが出来る土地、気候そういった自然条件。
それをどう摘んで、どう製茶・焙煎するか。

そういった全ての工程があり、一つのお茶が出来上がります。


まるでワインのテロワール。
ワインと一緒でしょう?


土地毎の個性、作り手毎の個性。


面白い世界だなぁと思います。



その中で凍頂烏龍茶と呼ばれるものは、鹿谷の凍頂で栽培、製茶されたものです。
主に、800mくらいの海抜の茶園の茶葉です。


台湾茶を巡る旅


南国台湾にあって、さすがに800mくらいまで上がってくると、10月の初旬でもかなり快適な気候です。


この上の写真は16時前くらいでしょうか。
一瞬ふわっと霧のようなモヤが現れました。が、その後はまたカンカンの太陽の日差し。



ところで、上の写真やこのページの頭にある写真に、随分細いヤシの木みたいなものが写っています。
これ、「ビンロウ」の木です。


台湾茶を巡る旅


檳榔(びんろう)は石灰をまぜて葉っぱで包んだものが台湾では合法な嗜好品となっています。
噛み続けていると、ちょっとした覚醒作用があるようで、長距離のドライバーなどがよく食べているのを目にします。



鹿谷のお茶屋さんで真剣勝負



台湾でお茶屋さんに行くと、困ることが「言葉」。
しかし、ある程度基本的な台湾茶の言葉を覚えていれば、相手に自分の好みを伝えることができます。


台湾茶を巡る旅


鹿谷のこのお茶屋さんはある人に推薦してもらってたどり着いたのだけど、
相当な種類を飲ませてもらいました。


鹿谷のものも、それ以外も。

凍頂烏龍茶は、「清香」と言って、その名の通り清々しい香りの、
ちょっと軽めのお茶が最近のトレンドです。


悪くはないのだけど、どちらかと言うと香りが先立ち、しっかりと口やのどでお茶を感じられるものではない。
個人的にはグッとお茶の良さが口に残るものが好みです。

年配の方やお茶好きな方はそういったものを好む方が多いらしく、
丁寧に炭で焙煎した伝統的なお茶を飲ませてもらいましたが、これが素晴らしかった。

果実香もあるのに、ぐぐぐっとお茶の良さが口に残り、最後にのどからまた香りが戻ってくるような。


そんなお茶を飲ませてもらったら、お茶屋さんのご夫婦とお酒の話になりました。
その伝統のお茶は「男のお茶」。だからあなたはウイスキーが好きでしょ?と。
はい。その通り。


そこからは好きなお酒、お茶の話。
僕が好きな感じのものを理解してもらってからは、試飲が進む進む。
好みのお茶が続々出来てます。

古いものはまた別格にすばらしい。(お値段も素晴らしいが。)



台湾の茶人は日本の骨董が好きだ。
そして、日本の個人作家さんの茶器が好きだ。

そんな話から、ふと沖縄の焼物が出てきた。
おー、金城家のものです。
古い。
金城次郎さんか、敏男さんか。


台湾茶を巡る旅


お茶がつないだ縁。面白いもんです。
台湾の山麓まで来て、まさか沖縄の民藝を目にするとは。


そんなこんなで話は尽きず、気付けばあたりは真っ暗です。



台湾茶を巡る旅


宿も、ご飯所も紹介してもらって、まったく素晴らしい時間でした。


「沢山お茶飲んだでしょ。ご飯食べても全然寝られなかったらここに戻ってこい。ウイスキー用意しておくよ。」と。
台湾の人達の優しさは本当に嬉しいもんです。



鹿谷で食べるべきもの



もし鹿谷へ行ったら(行かないか…)、やはり食べておくべきなのは山の幸でしょう。

年間通じてタケノコは良いものがあるそう。


台湾茶を巡る旅


この筍炒飯美味しかったなぁ…。
右はイノシシの炒め物。


山菜や、キノコ、川魚なんかも良いようです。


鹿谷は宿も多く、快適に滞在することができました。


翌日は鹿谷から更に上がった、杉林渓へ。
早朝から茶摘みの作業がある、というので早めに宿で就寝。



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