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鄭惠中
鄭惠中(ジェンフイジョン)さんの自然体

2012年1月、台湾では翌日を4年に一度の選挙、
そして翌週には旧正月、という忙しいタイミング。そんな中、鄭さんに会いに行ってきました。


ジェンさんのアトリエと工房は台北の隣の中和市。
そう遠くは無いけれど、周りに何か観光地があるわけでもないので、
観光客とすれ違う訳でもない、台湾の住宅街。

表通りは台湾らしく、原付やバイクの音がしますが、
一本裏に入ったアトリエや工房はとても静かです。


アトリエにはモダナイズされた台湾の伝統音楽が流れます。
ジェンさんは台湾の伝統や少数民族への興味や理解がとても深く、それが作る物にも生かされています。

そのため、よく演劇や伝統楽器の演奏の衣装によく使われています。
こういう音楽はこの静かな空間に合うわけだ、と妙に納得。





いつも美しい花と、美味しいお茶がある静かなアトリエ空間。
まずは座って美味しいお茶と少しばかりのおしゃべりを。


前回の訪問以降に開催された演劇や音楽の催しの写真や動画を見せてもらいながら
最近のことや選挙のこと、息子さん達のこと、そんなことを話します。


買い付けの品の選定が終わると、
ジェンさんがおもむろに「近くの公園へ行ってみる?」と。
旅先で現地の信頼出来る人にどこかに連れていってもらうことほど楽しいことはありません。
お昼もかねて、二人で出かけます。


残念ながらお気に入りの台湾料理店は臨時休業だったため、
公園の横の青空市場を通り抜け、一軒の薬膳料理の大衆食堂へ。






「ここの麺も美味しいんだよ。」と薦められた薬膳麺は不思議な味。
薬膳はそれほど強くなく、後味がとてもスッキリした落ち着く味。

食べ終わると青空市場で柑橘系の果物を買い食い。
男二人、ふらふらと台湾の町歩き。



ジェンさんが連れて来てくれた公園は「林本源園邸」という、
中国の清の時代に福建省から台湾に移り住み、成功した富豪の邸宅。

ここでもジェンさんは庭園中の人に知られており、自然と人が集まります。
そして庭園を回りながら中国の伝統の吉祥紋や建築様式について少しばかりのレクチャー。






旧正月には菊のコンテストのようなものも行われるとこのことで、
美しい菊が色も形もとりどり、準備されています。






鄭惠中(ジェンフイジョン)さんのモノ作りの後ろ側


ジェンさんの服や小物は台湾の伝統、少数民族の文化からインスパイアされ、
現代の生活に、そして東洋人の体型に馴染むよう設計されています。

そこには彼が学んできたこと、彼の美意識が詰まっています。
一見するとビビットな色も台湾の少数民族の衣装であったり、植物であったり、
そういったものに見られる色で、身につけてみると欧米のブランドのそういったものとは違い、
なぜかしっくりくるし、色々なものに合わせやすいような気がします。


彼が大切にしているものを知ると、昔民藝と言われたものに通じる美への視線、
そしてこれから我々が大切にしていかなければならないもののヒントになる、そんなことも感じます。



そんな彼の美意識とモノ作りの後ろ側にある何かに触れたような台湾での半日の時間。
鄭惠中老師、謝謝。