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カレー皿

陶器のカレー皿を考えてみる。



ご多分に漏れず、カレーが好きです。
男子一生のテーマとしてカレーに向き合っていきたい(大げさ)。


そんな思いから、うちでカレー用のお皿を選びたいな、という人には是非外さないで、
これ!という一枚を選んでもらいたいものだと思う。


民藝の器で食べるカレー。そのカレー皿の良いところは、食べ終わった時に見える柄。
あー、お気に入りの器で食べたんだ!と思えるこの瞬間の満足感は他には無いと思う。

一方で、化学的に研究されて、その結果を持ち込んで型で作られたような器ではないから、
最後の米粒1つまで上手にすくって、とかいうそういう気の利きすぎた仕様はない。


そのあたりの大らかさを楽しんでもらえるのであればうちで提案できるカレー皿は良いと思う。
僕は「究極の一皿」みたいなのが好きじゃないので、
ある程度の幅の中から好きなものを選んでもらいたい。



民藝の器。カレー皿のサイズ感。



さてと本題。

カレー皿のサイズ感。日常であれば七寸皿と呼ばれる21cm前後の器が良いでしょう。
前後、と言いましたが若干訂正。20cm弱だとかなり窮屈になりますから、21, 22cmくらいで、
リムと呼ばれるフチが無いもの。


→陶器の七寸皿(21cm前後)の商品一覧はこちらから。


うちの四番バッターは瀬戸本業窯の馬の目皿です。
これは21cmで、フチも大きく無いのでしっかり盛れる。

カレー皿


上の写真はちょっと大盛り。バランスよく盛るなら、大盛りは一つ上のサイズが良い。
ちょうどよく盛れば、馬の目がちらちらと見えて、お皿の上のリズムが更に気持ち良い。


ということで、
フチがあって、お店のように少し余白を残して盛りつけたい。
あるいは大盛りで食べたい、ということであれば下の写真のような八寸皿。
瀬戸本業窯のミート皿の八寸。フラットだけどフチに高さがあるから、
おさまりがとっても良い。


カレー皿


大盛りで食べたい人は八寸皿のリム無し、普通のものが良いでしょう。
24cm前後のサイズです。


→陶器の八寸皿(24cm前後)の商品一覧はこちらから。


7寸、8寸、いずれのサイズでもうちで扱いの窯元であれば、おおよそ深さもありますし、
片手で持てて、適度な厚みがあるので熱さもそこまで気にならない。そんなイメージです。



もちろんカレー専用ではない。美しく盛りたい。



うちでお勧めしているのはあくまでも大きさとしてのカレー皿。
なので、カレー皿としてだけ使う必要は全くありません。
7寸や8寸は主菜、副菜、あるいはワンプレートで、と何かと使いやすいサイズ。


カレー皿


左から、瀬戸本業窯馬の目皿7寸。中は小代焼ふもと窯スリップウェアの丸皿7寸。
右は小鹿田焼黒木富雄窯の8寸皿。小鹿田焼伝統の飛び鉋の技法がリズミカルな一枚。


日々の家庭料理に。中華料理だってイタリアンだっていけますよ。

伝統の産地で脈々と、しかし大らかに作り続けられてきた器ですから、
バックボーンが違います。普段の何気ない料理をすこし美しく、
少し力強く見せてくれる、そんな器だと思います。


とはいえ、民藝の器の良さは、じっくりことこと煮込んだカレーのように、
あるいは一日寝かせたカレーのように、
じんわりと、味わいがあること。
カレーにそれを使って、多用してもらえれば器が育つのも早いんじゃないかと思います。
実際、こういった色の濃い料理を沢山盛っているカフェのお客様なんかの器の
経年変化の早さには驚かされるので。

なので、器を育てていきたい、そういうのが好きな方にも是非お勧めなのです。



ちょっと変化球で、カレー丼。



実は、家で食べるカレーにはカレー丼があります。
何が違うのか、と言われれば一緒っちゃ一緒なのだけど、
思ったよりルーが少なかった、とか。そんな時。


カレー皿


そんな時は沖縄でマカイと呼ばれる沖縄独特の丼を使います。
これで5寸サイズのマカイ。
写真のものは、登り窯で伝統的な沖縄の焼物(やちむん)づくりをするまさひろ工房のマカイ。
そしてカレー丼の時には目玉焼きを乗せるのがマイルール。
何だか収まりが良くないですか?


→やちむんのマカイの商品一覧はこちらから。


結論を言えば、好きなものを…



結局は、気に入った好きなものをお使い下さい、ということになってしまうんですが、
少しはカレー皿選びの参考になったでしょうか。


シンプルな単色のものももちろん良いですが、
食べ進めて柄がどんどん見えてくるのは何だか楽しいものです。


本当は食べ残しのカレーをカレーうどんにして食べるのも好きなので、
カレーうどんに似合う器も提案したいところですが、それはまた機会があれば…。