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しめ鯖


しめ鯖を作る。



しめ鯖との出会いっていつだったか覚えていますか?
僕はまったく覚えていません。


でも、真っ白けでやたら酸っぱいしめ鯖ではなく、
まるで刺身のような、上の写真のようなしめ鯖が好きになったのは大人になってからでした。
それからもう冬になると毎週のようにしめ鯖が食べたくなるのです。


前のページでは、サバの選び方、捌き方をやりました。
頭を落として、内蔵を綺麗にして、いよいよ調理に向かう手前まできました。



サバの三枚卸のやりかた。



鯖はとにかく鮮度の落ちやすい魚です。
前のページでも注意しましたが、水道水でビタビタにしてもいけないし、
ダラダラ捌いていると、身が割れてしまって、美味しさが落ちてしまったり、もったいない。
なので、ここからは出来るだけ無駄無く、手早く。


しめ鯖


僕は左利きなので、右利きの皆さん、向きや包丁の入れ方に違和感があると思います。
もし三枚卸に慣れていないなら、一度Youtubeなんかで動画を見るとイメージがつきやすいかもです。


腹側、肛門の下、ヒレの上あたりから、尾にかけて優しく包丁を入れていきます。
包丁の下に魚の骨を感じられたらうまくいっています。
2、3回に分かれてもOKですから、腹側で、骨の中心の方まで包丁を入れて下さい。

次に背側です。同様に、背びれの上から、体の骨を意識して、
包丁の下に骨を感じるように。(骨を感じない、ということは骨回りに身をいっぱい残したまま、
もったいない切り方をしている、ということになります。)

慣れないうちはゆっくり、2回、3回で、背中側から骨の中心(中骨)の方まで辿り着いてください。

これで両側辿り着いたのですが、まだこの状態では身が離れないはずです。
なので、いったん尾の上、すぐくらいで尾の身を切ります。(尾を落とす必要はありません。)
(この工程は後からでも構いません。やりやすい順番で。)

尾の身の上くらいに、包丁を入れ、身を貫通させます。
そしてそこから、首の方に向かって、ビビビっと刃を入れ、
骨と身を離していきます。(写真、下段の真ん中です。)
魚屋さんとかは一瞬でバシっとやりますが、慣れないうちはゆっくり、ゆっくり。
きちんと身に手を添えて。
首の近くで包丁がひっかかるような感覚がありますが、グッと力を入れて。

そして、身と骨が上手く離れれば、まずは片面完成。(これが二枚卸です。)


今回は、半身でしめ鯖、半身で味噌煮を作りますから、
骨の無い側がしめ鯖、骨付きの方を味噌煮にします。


一匹しめ鯖を作る場合は、もう片面も同じように、
腹側、背側に包丁を入れて、同様の作業をします。
そして、身、身、骨になれば三枚卸の完成です!



腹骨を取る



もうちょっとでしめ鯖の仕込みに入れます。頑張って下さい。

しめ鯖用の身をみてみてください。
血が付いてたりしたらキッチンペーパーでぬぐってあげて。

まだ骨が残っています。腹骨が。
腹骨のあたりを手で触ると、脂がジュワっとなりますか?
なるなら、良い鯖ですよ。きっととっても美味しいはず。


しめ鯖


腹骨は、まず包丁を逆に持ち(刃が上になるように)、
しっぽ側から、腹骨の先っぽを刃先で持ち上げるようにして、
だんだんと首側までツ、ツ、ツ、ツ、ツ、と進んでいきます。
これで、骨の太い部分を持ち上げてあげたら、包丁を普通に持ち、包丁全体を使って、
腹骨を取り除いていきます。腹骨を浮かせるように、包丁を腹骨に沿わせて切っていくと、
腹の脂の多い美味しい身を取りすぎず、骨を取る事ができます。
あらかた骨が取れたところで、腹側の身の端を切り取ります。

仮に、腹骨が1回で上手く取れなかったら、
骨をすき取るように、とってあげてください。(写真右下)



いよいよ、しめ鯖に近づきます



ここまで終えたら、あとはもう簡単です。
バットに身を入れて、塩をふります。両面にたっぷりと。
(バットではなく、竹ざるを使用しても良いです。)
塩は「粗塩」をお勧めします。

そして、バットを傾けてあげる。(一度出た水分がもう一度身に戻らないように)


しめ鯖


この状態で、1時間から2時間。
身の大きさや状態によりますが、水分が出て、身が少し締まったような感じになればOKです。


そしたら、塩を洗い流します。
きちんと洗い流して、キッチンペーパーで水分を拭き取る。ここ、大事です。

そしたらバット(あるいはジップロックに。この方が酢が少なくて済みます。)に身を入れ、
純米酢をかけていきます。
ひたひたくらいまで。足りなければちょっと少なくても。


しめ鯖
しめ鯖


ジップロックの場合はひっくりがえす必要ありませんが、
バットの場合は、7、8分で一度ひっくり返してあげます。
全体で15分もすれば、写真のように身がうっすら白くなってきて、もう食べられます。


酢で〆る時間は本当にお好みで、15分、20分、30分、45分、1時間、2時間…
徐々に自分の好みが見つかれば良いのかな、と思いますが、
個人的にはいつも20から30分。


ここまで来たら、あとは仕上げです。
骨を抜きます。


しめ鯖
しめ鯖


中骨は、写真左上のように、側面側にもありますので、手で触りながら、しっかり取ります。
取り終えたらひっくり返して、薄皮を手ではぎます。
ここまでくるとかなりの達成感。気持ち良いです、この瞬間。


あとは、お好みで切り分けて、生姜やシソなど各種薬味を添えて。
写真のように炙っても美味しいです。


しめ鯖

しめ鯖




捌き始めて、塩を2時間、酢を20分なら、
ここまで大体3時間です。
塩をしている間はやることがありませんから、残りの頭で味噌汁を作ったり、
鯖味噌煮に取りかかったり。


次のページでは、鯖の味噌煮の作り方へ。


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