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烏魯木斉(ウルムチ)

新疆ウイグル自治区ウルムチ



台北を飛び立った飛行機は、直行で烏魯木斉(ウルムチ)へ。

22時頃到着し、まずは市内中心部に取った宿へ向かう。
タクシーの運転手がいきなりロシア系?中央アジア系?で面食らう。
かなりきつい訛の北京語だが、僕を乗せてもなかなか出発しない。
何人か乗せて行きたいようだが、空港係員にさっさと出ろ、と促される。

車内は大きな音で民族音楽が流れ、旅の情感としては抜群だが、
目的地に着いたばかり。相手のペースにこちらがペースを乱されるような感じ。
(あえなく倍くらいの料金をぼったくられるが疲れもあり、払わざるをえなかった。)

初日の夜は宿に着いたら11時過ぎ。
宿の近くでビール一本買って早めに就寝。

翌日と、カシュガルから戻る半日が烏魯木斉を楽しめるわずかな時間となる。




大都会 烏魯木斉(ウルムチ)



旅の前から「ウルムチには景観を期待しない方が良い」と言われていたけれど、まさにまさに。
起きて、散歩したその町はどこかの大都会だ。


内陸の、シルクロードののんびりとした…
なんて想いは簡単に吹き飛ぶ、ビル、またビル。


烏魯木斉(ウルムチ)


これは歩き出してものの5分。橋の上から撮ったのだけど、
(人民公園の南側あたり、人民路から黒龍江路へ向かうところ)
思わずLAかと思った。笑


ウルムチは250万人ほどの人口の半分が漢民族、もう半分が少数民族で、
その中ではウイグル族が最も多い。

写真の通り、訪れた2日間はどちらも晴天だったが日射しが強い。キツい。


2014年4月にウルムチ駅が爆破されたテロ事件を受けて、町はおびただしい数の武装警官がいる。


烏魯木斉(ウルムチ)
(左はウルムチ駅、右は市場の中。市場は入り口で荷物チェック。中にも公安やSWATが。)


が、どこか危険な香りがするか、と言えば町中は全然そんなことはなく、
どちらかというとのんびりとした雰囲気がある。

町自体は比較的大きいが、1回1元とわかりやすいバスなので、
バスを使うととっても旅がしやすい。


烏魯木斉(ウルムチ)


市内であれば、僕のように1.5日もあればだいたいのところは見ることが出来る。




烏魯木斉(ウルムチ)の町の人々と鉄道駅



ウルムチには手仕事として見るべきものが残っていないことは事前にわかっていたので、
1.5日はとにかく町歩きに徹した。


烏魯木斉(ウルムチ)
(時折緑の多い通りに出ると、ホッと一息つける。のんびりした普通の人達の暮らし。)


シルクロードと大都会の狭間。中国の漢民族文化と少数民族文化の狭間。
そんなことをあれこれと頭の中で考えながら、とにかくとにかく歩く。
疲れた休む。ちょっとバスに乗る。そんな感じで。


烏魯木斉(ウルムチ)


町を歩いて見て見ると、ウイグル族の男性は独特の帽子をかぶり(白や緑や黒)、
女性は派手なワンピースを着ている。化粧もばっちり濃い。

道ばたで果物を売る人達も、どこか中央アジア系の顔つきを感じる顔で、
我々が思う「中国」とはどこか違った顔立ち。


ウイグル人の多い場所に出くわすと、その感覚はより鮮明なものになる。


烏魯木斉(ウルムチ)


こういうエリアはお店などの表記もウイグル語が多いため、
もはや中国にいる気はしなくなる。


そんな町を歩いて、鉄道駅に向かう。
いわゆるウルムチ駅というのは、烏魯木斉南駅のことになる。


烏魯木斉(ウルムチ)


近づいていくと、駅周辺は食堂や安ホテルがいっぱいで、
漢民族の人達の多いエリアと、それ以外の人達(主にウイグル族)が多いエリアに分かれている。


ウルムチ駅はかなり大きい。
ここはカザフスタンへの国際列車の発着点でもあるし、
新疆ウイグル自治区を走る路線の起点でもあるので、地方駅としてはかなり大きい方だし、
先述した通り2014年の事件以降の警戒がとても厳しく、ウロウロしていると公安に
引っ張っていかれるんじゃないかと心配になる。


国際列車も出ている駅らしく、駅周辺で見かける人達はかなりオリエンタルな顔つきだ。


烏魯木斉(ウルムチ)


宮脇俊三さんの鉄道旅の時代には上海ーウルムチ間が72時間ほどだったのに、
今はおよそ48時間。

この内陸の土地も随分都会に近づきました。




烏魯木斉(ウルムチ)で見ておくべきもの。



烏魯木斉(ウルムチ)は、市内にそれほど見るべきものが無いのですが、
「新疆ウイグル自治区博物館」は見るに値する、博物館です。
この新疆地域の歴史、民族、文化の素晴らしい展示があります。

入場も無料で、写真も撮り放題。

シルクロード交易についてもかなり充実した学びがあります。


焼物(食器)、土器、布、アクセサリー、などなどなど。素晴らしい。


烏魯木斉(ウルムチ)



ウルムチを歩いていると時折、ロシア系、モンゴル系の人も見かけます。
新疆ウイグル自治区の旅はウルムチを起点に、モンゴル、ロシア寄りのアルタイという町にも行ってみたい。
と強烈に思いましたが、それはまた次回のこと。


旅はここから更に内陸、東側へ進み、カシュガルに入ります。





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