みんげい おくむら トップページ > 窯名や作家名で器を選ぶ > 小鹿田焼 共同窯(柳瀬朝夫・坂本浩二・黒木昌伸 他) > 小鹿田焼 柳瀬朝夫窯 > 小鹿田焼 柳瀬朝夫さんの少し古いもの
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14,850円(税込)
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柳瀬朝夫さんの少し前の器
ちょっとおかしなタイトルですが、
民藝の器というとまずその名が取り上げられる「小鹿田」(おんた)に出入りするようになって、
各窯元それぞれと色々話をしていて、その中で、
柳瀬朝夫さんは現役の最高齢の陶工だから、昔のこと今のことを色々聞いたりしていたんです。
(夏の小鹿田の集落。山中だが夏は暑く、冬は寒い。厳しい気候条件。)
ある日、昔のものを見せてもらおうとしていたら、意外と量があったんです。
空調の無い部屋で汗だく、ホコリまみれになりながら夢中で見ていました。
最近では焼かれていないような大きな、迫力のあるもの。
小物なんだけどやはり一昔前に作ったのであろう今とは風合いが大きく違うもの。
今のものとはまた違った輝きがあるそれらがどうにも気になってしまって、
「これ、うちで貰っても良いですか?」と聞いたら快く了承してもらって。
それから窯出しの度に今のものとちょっと古いものと時間をかけて少しずつ選んできました。
(2013年は渋谷ヒカリエのイベントにも持っていきました。手にしたお客様はラッキーでしたね。)
前のもので面白いものが見つかるのは嬉しいんだけど、朝夫さんに聞いても家族の誰に聞いても、
「これは昔だねぇ。」と。
「どのくらい昔でしょうね?」と聞くと、、、
「昔だねぇ。」「うーん…」「相当昔だねぇ。」「ちょっと昔だねぇ」と。
出来たらいつのものかハッキリしたら良かったのだけど、それは難しいし、
でもここ数年のものではないのはモノを見れば明らかで。
そんなわけでざっくりと「ちょっと昔のもの」とさせてもらっています。
(そば茶屋で朝夫さんと食事。ビールは欠かさず。奥さんはとにかくよく働く。)
小鹿田焼の歴史の中に今の作り手の時代もあって、
そのそれぞれの作り手にもまたいろいろな時期やステージがあって。
その中で朝夫さんは、集落の中では「あーちゃん」と呼ばれ、
どの陶工さんに聞いても「もういくつのものを作ったのか想像もつかない」と
言われるほど数を作ってきた、職人中の職人です。
10代の早いうちからこの道に入り、もうゆうに50年以上のキャリアがあります。
今回のものももしかすると40代くらいの頃のもの、50代、60代、と
いくつかの年代をまたいでいるものですし、
まだ大物作りが、気持ち的にも体力的にも充実している40代。
そこから変化が見えてくる50代、円熟に向かう60代。
手に取る器から朝夫さんの時代、時代をつい想像してしまいます。
朝夫さんは今は歩くのもやっとというほど腰が曲がってしまっているのですが、
ろくろに座るとちょっと窮屈そうだけどスッと背中が伸びて、
急に雰囲気が変わります。
とはいえ、話しかけると手を止める事無く、時に笑いも交えて色んな話をしてくれます。
工房の横を流れる川の音、鳥の声、そんなものも聞こえてくる中、
朝夫さんとのおしゃべりは楽しい。
それを隣のろくろ前に座り、作業をしながら静かに聞き流す婿の裕之さん。
朝夫さんの奥さんや娘さんは土作りや細かな作業で工房を出たり入ったり。
小鹿田焼 表現の幅の広さ。
飛び鉋(とびかんな)や刷毛目があたかも小鹿田焼、と思われがちなのだけど、
それは300年以上の歴史の中で結構最近(ここ100年ほど)だということもあまり知られていなくて。
(使い古された道具達。器の大きさや形で使い分けるため道具は無数。)
小鹿田焼はその名前を使う以上、
小鹿田焼の定義から外れるようなものを作る事はできないのだけれど、
その中でいかに無限のアイディアがあるか、朝夫さんの歴史を見れば少しわかってもらえるような。
そんな気がしています。
※小鹿田焼の各窯元の中でも柳瀬朝夫窯は焼成中の土の付着や、器のゆがみ、膨れなどが
最も多い窯元です。しかし基本的に販売している商品は窯元の検品も経て当店へ届いているものですので
あらかじめその点ご了承くださいませ。
柳瀬朝夫さんの少し前の器 商品一覧