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北海道の酒


最近、北海道の酒が旨すぎる。



北海道の通うようになって10年経った。

散発的な旅行でしか行ったことのなかった北海道が、
アイヌの工芸を通して、
二風谷の高野さんと出会い、
アイヌ文化、あるいは開拓以後の北海道、いろんなところに興味を持つようになった。


しかし、二風谷に通うだけでは到底あの広い北海道を動き回ることなど出来ないのだ。
道内でイベントができたらな、
と思っていた時に、


東川のless、浜辺さんが声を掛けてくれた。
浜辺さんはうちが渋谷のヒカリエでやったイベントに立ち寄ってくれて、
それでそんな感じのみんげい おくむらのイベントを東川でやりたいと言ってくれたのだ。


二風谷、東川、
そしてその縁がまた札幌に広がり、
2023年からは函館でもイベントをさせてもらっている。
年に3、4回は最低でも北海道に行かせてもらうご縁ができたのだから、
これはうれしい。


北海道の酒
(浜辺さんに教えてもらった旭川の名店「三四郎」。酢大豆でまずは二、三杯飲めてしまいそう。)



そして行けば毎晩飲んでいる。
北海道を腹の底から知りたいのだ。



冒頭の写真は、2016年。
札幌のご縁が広がった中で出会った、
お菓子の「松風」の渡辺麻里さんが僕に飲ませてくれた、
二世古酒造の二世古原酒。


盛り上がる北海道のワインを追いかけていた僕は、
この時北海道の日本酒の面白さに驚いたのだった。


正直なところそれまでの北海道の日本酒の印象といえば、
「男山」ぐらい。
地元千葉にあって、あえてそれを買って飲もうと思ったことはなかったし、

北海道に行けば一度ぐらいはどこかで地酒として北海道の酒を飲んだりはするけれど、
強い印象に残っている酒はなかった。


北海道の酒
(札幌のおでんの名店「一平」。ここは酒は一種。これだけ、という酒を置いている店も面白い。)



それから、毎年東川に通う中で、
東川の酒米を使った酒がついにできた、と
東川の行きつけの居酒屋「りしり」で飲ませてもらった。


北海道の酒
(りしりで最も僕が楽しみにしているのが「かすべのぬた」。北海道のかすべ文化はまた独特だ。あれば必ずおかわりする。)


なにせ、東川は米がうまい。
食用米もうまければ、酒米まで素晴らしいものができている。


北海道の酒
(東川の田んぼの風景。この街は全てがずるい。上下水道が全て地下水で大雪山の雪解け水なのだから。)



北海道の酒
(りしりのおにぎり。深夜の背徳感。しかし年に一度しか来られないのに食べない理由は無いだろう。)



そうこうしていると、
あれよあれよと北海道の新しい酒蔵が立ち上がったり、
北海道の酒米を本州の酒蔵が使ったり、
ずいぶんと賑やかになってきた。



ワインで言えば、
気候変動で、山梨や長野のワインが未来どうなるかわからない。
北海道はしばらく安泰だろうとも言われる。

ワインで世界に飛び出した北海道が、
今度は日本酒の業界をも席巻しようとしているのか。


北海道はズルすぎる。



僕の側からその世界を覗き込んでみると、
北海道には伝統の焼き物の窯が無い。
(歴史上焼き物がなかったわけではないが、何代と続いている窯が無い)


現在は道内各地に焼き物、あるいはガラス、木工の作り手がいる。

北海道の作り手は、
ワインや日本酒にあった器を作れたら、
そりゃ最高ですね。



うちも、函館の近く、
厚沢部町(あっさぶちょう)のソロソロ窯の臼田さんにワインカップをお願いしている。


今後は日本酒に合う何かも考えなければならないかもしれない。

北海道の酒は当分僕をワクワクさせてくれそうだ。