沖縄県の今帰仁村で作られるわらびのかご。およそ10種類ほどの基本パターンに工夫や変化を付け、無限にも見える様々なかごができあがります。



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わらびかご

わらびかごの今・むかし


沖縄の今帰仁村で編まれるわらびかご。10ほどの基本の形に、
それぞれがアレンジを施し、大きさや形状が異なる無限の表情を生み出します。

かつては「みだれ」のような実用のためのかごだけが作られ、
それが現金収入となっていたのだが、戦後プラスチックなどにその活躍の場を奪われ、
それがきっかけで徐々にデザインのバリエーションも増え、現在のような形になっていったと言います。



わらびかごの原料について

ここでわらびと呼ばれているものは我々が通常想い描く山菜のそれとは違うものです。

コシダと呼ばれるシダの仲間で、沖縄以外にも各地に生息しているもののようです。


かつては今帰仁に限らず、沖縄本島でも広範囲に生息し、それ故に編み手も各所にいたようですが、
現在残っているのは今帰仁村の編み手さんだけです。

また原料のわらびのツル(茎)は、地表を這うように生息し、硬質で水分を含み、
光沢のある褐色色をしています。

わらびかご


戦後の沖縄県の開発により、リゾートホテルやゴルフ場が乱立し、コシダの生息域は減っていると言います。
また、使えるツル、使えないツルがあるため、現在は原料探しが以前に比べ大きな苦労になっているようです。



わらびかごの種類


 
みだれかご


昔から作られていた実用のかご。

生活道具として沖縄本島に
広く普及していたと言われています。

水に強く、カビないため、
茶碗かごとしてや水切りかごとして
使われていました。

これがわらびかごのスタンダードアイテムです。
 
わらびみだれかご
わらび足長かご 足長かご


みだれによく似ています。

しかし、高台(底部)が高くなっているため
「足長」と呼ばれます。


写真のようなものから、もっとまっすぐと
切り立ったようなものまでありますが、
高台部分が良い原料でなくては編めないため、
現在は編める数が少なくなっています。

 
 
手付きかご


みだれかごに取っ手が付いたもの。

取っ手はわらびのツルを数本ねじって作られており、
軽やかな印象のかご。

取っ手がしっかりと強い訳ではないので、
買い物かごのようにはできない。

果物や野菜を入れたりするのに実用的。
 
わらび手付きかご
わらび縄巻きかご 縄巻きかご


取っ手に棕櫚(シュロ)巻いたかご。

どっしりと底が広く作られ、収納力もある。
比較的太いツルまで使うことができるので、
オールシーズン編まれ、またサイズも豊富。

湿気に強いのでパンかごなどに使う方もいる。

 
 
ねじりかご


取ってに棕櫚が巻かれているのは
縄巻きかごと同じですがこちらの方が細く、
また取っ手がねじられているのが
最大の特徴です。

ベースのかごはとっくり型になっているものが多く、
どれも比較的小振り。

果実の収納や、
ツル系の植物を這わせたり垂らしたりすると楽しい。
 
わらびねじりかご
わらびふた付きかご 蓋付きかご


サイズが豊富な蓋付きのかご。

元々は食料の保存用。
こどものおやつを入れて置いておいたり、
小さいものはふかした芋を入れる弁当箱にも
使われたいたのだとか。

飾り物としても実用としても人気のかご。

 
 
壁掛け皿


ふちはみだれで編まれていて、
その開いた空間の感じに涼しさがあります。

素朴さや力強さ、繊細さも感じるもの。

大皿としてオードブル皿のようにも使え、
インテリア性も高いもの。
 
わらび壁掛け皿
わらびオードブル皿 オードブル皿


大人数で集まる事が多かった
沖縄の家ならではの皿かもしれません。

この皿にバナナの葉を敷き、揚げ物を
盛りつけていたそうです。

その使い方は今の都会生活の我々でも
ホームパーティーなどで真似することが
できそうです。

 
 
花かご(ひょうたん型)


背の高い鉢や、ドライフラワーなどに
よく似合う細長いかごです。

1メートル以上の大きさのものもあり、
インテリアの存在感も抜群。
圧倒的な存在感と美しさ。

ただし太いものから細いものまで良い原料でしか編めないため、
生産数は近年非常に少なくなってきています。

 
わらび花かご
わらび花かご 花かご(とっくり型)


花かごとしては非常に実用的で、
また収納用のかごとしても人気の高いものです。

背の低い花や、ツルを垂らすような植物に向いています。

ずんぐりした雰囲気が愛らしく、
思わず抱えたくなるようなルックスです。

 

これら以外には鉢カバーや、それに蓋の付いたものなどが定番として見られます。


これらが定番の形ではありますが、
そこに編み手の編み方のクセや、どういうった原料をどこに使うのかといった工夫などがあり、
編まれたものは一見似ていますが千差万別です。




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