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やきもの山上


やきもの山上の蓋付き甕




山上さんにお邪魔して、お茶飲みながら話していた時に、
ふとこれが出てきた。


おだやかで、美しい道具。


信州にはこういう道具がいっぱいあったのだ。



梅干しや漬物、味噌。
どんなに洒落たもの食べたって、
やっぱりそういうのがいいな、と思うのは日本人の心だと思う。


そんなものにぴったりの道具。


お願いするのは簡単だけど、いろいろと難しいのが現実で。


まずは美しいものを作ること。
これはもう完全に山上の宮崎さん任せになるのだけれど、
やっと出せるものができました、と言ってくれた時はうれしかった。


そして、これをいくらで売るのか、ということ。


こういったものは窯の容積を食うのだが、
(つまり、他のものを入れるスペースを奪うということ)
道具としての値段帯というものがあって、
無闇矢鱈に高くはできない。

使う人がいなければ意味がないし、
使ってもらってこそのものだからだ。


とはいえ、作り手に泣いてもらって、
利益無しでやってくれ、とも言えない。


本当はもうちょっと値段上げた方が、と思わないこともないが、
佇まいと、普段の生活に取り入れる値段と、
良い折り合いがついたと思っている。



道具としては量産のもので機能を満たすものはいくらでもあるが、
そこから一歩踏み込んで、
佇まい、その空気、を大事にしてもらえる方に。




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