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中国貴州省

2013年 中国 貴州省 少数民族の手仕事を求める旅6 雷山の窯場



貴州省の中では中規模な町、雷山(Leishan)。
ここは伝統的に磁器の産地です。

今も登り窯で食器や酒甕など日常で使われる焼き物が作られています。


訪れた窯のうち、1つは偶然にも窯出しをしているところでした。


中国貴州省


今回は甕など大物ではなく食器だけを焼いていました。

写真左下にあるように、ちょっと深さのある皿を40枚ほど重ね、
最上部には小鉢を貝合わせにして重ねています。

甕やツボも焼く窯ですから、食器だけだと相当な数が入ります。


作業は至ってのんびりで、タバコやパイプを吹かしながら、
あるいはおしゃべりをしながらのんびりと。


中国貴州省


くっついた器をはがす作業も日本で見かける風景と近いものがあります。

釉薬のムラ、ゆがみ、くっつきなどのものは弾かれていますが、
検品の精度は日本より遥かに低い印象。

がさっとまとめて紐で縛ります。
問屋さんなどにこの単位で売るのです。


別の窯元も含め、雷山の窯場の風景はこんな感じです。


中国貴州省


磁器で、型ものが多いのですが、中にはろくろのものもあります。
釉薬は飴釉のものと透明釉のものなど極めてシンプル。


中国貴州省


ある窯では夫婦が作業をしていました。奥さんは型ものづくり。


そして旦那さんはろくろ作業。


中国貴州省


ご覧の通り、ろくろがとても低い位置にあります。
沢山の土を使ってするからか、大物を作るからか、
よくわかりませんでしたが、この時は水差しを作っていて、とてもやりにくそう。


中国貴州省


それでもこの職人さんはたばこをふかしながら、笑顔でささっと水差しの胴体を仕上げていきます。

言葉のコミュニケーションはあまり出来ませんが、やっていることを見れば、
その職人の技量はわかります。

量産の産地らしい、慣れた仕事です。



地元で使われる雷山の焼き物



窯を後にして、偶然ですがその日や前後の日、この産地の器を使うお店などに出会いました。

貴州省でも飲食店ではよくても、業務用の白磁。
悪ければプラスチックの器が主流です。


重みがあって、素朴な器を地元の飲食店が使ってくれているというのはとても心強い。


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写真は凯里の町の小さな食堂で食べた鍋ですが、
取り皿と薬味皿が雷山の器。思わずテンションが上がりました。




続いて、苗族(ミャオ族)の一年に一度のお祭りをご紹介します。



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