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カシュガルの日曜バザール(日曜市)
カシュガルの日曜日はどこかそわそわしたような雰囲気がある。
国際バザールと呼ばれているエリアとその周辺で大きなバザールがあるからだ。
先に書いた、老城のあたりからもバザールまでの乗り合いタクシーが出ていて、
ひっきりなしに人が移動している。
(乗り合いタクシーと、なぜか途中で警察に止められて下ろされる人達。)
せっかくなので歩いて向かうなら、老城を超えて、門をくぐり、川を超えれば、
大きなにぎわいが見えてくるから一目でわかるだろう。
(もっとも、その途中も明らかにわくわくした人達が車やバイクで大勢通り過ぎていくからすぐにそれとわかる。)
ただし、その途中には老城だったが、取り壊しされた(政府によって!)エリアがあり、
それは何とも切ない光景だ。
(10年前に訪れた人がびっくりする町の整備具合。老城の外れから、右奥の方がバザール。)
バザールは、食品から衣料品、日用品、雑貨、薬、何でも揃い、
食べ物の露店も沢山ある。
周辺の町からもだろうけど、どこから沸いて出てきたかと思うほど沢山のウイグル人がやってくる。
屋根付きの中心部から、屋根無しのその周辺まで、しっかり見るなら半日は余裕をみておいた方が良いだろう。
上は屋根付きのバザールの中。ここは商品ごとに列が出来ていて、カーペットの列、楽器の列、
という感じでお土産物から、ウイグルの人の生活のものまで様々なものが並んでいる。
そして先に言っておくと、我々が好むような手仕事のものは、ほぼ無い。
例えば、この絨毯屋さん。
絨毯屋さんは結構な数がバザールの建物の通りを挟んだ向かいに並んでいるのだけど、
どこもこの通り。まず色が酷い。明らかに天然染織ではないし、織りも機械織りです。
昔ながらの天然の染め、そして手織り、という良質な絨毯をここで見つけるのは難しい。
わずかにわくわくしたのは、ほうき売りのおじさん達(これはまだまだ沢山ある)と、
ほんの数人が売っていた骨董だ。シルクロードの昔の焼物はわくわくしたが、値段もそれなりだった。
それでもウイグル族の人達の暮らしを知る、と言う意味ではとても楽しく、
シャッターを切りたい絵が多過ぎて、なかなかカメラを下ろせないくらいだ。
今のウイグルの人達の暮らし、欲しいもの、そんなものを感じるにはやはり欠かせない場所だろう。
今、女性達のトレンドはこの化繊のやたらめったら派手な柄のワンピースだ。
(右の人のクジャク柄自体はシルクロードをまたぐ各国で今も織られている絣の柄なのだけど…。)
少数民族の人はどこの地域でも明るく、派手なものが好きだから、
いったん天然の染めなどを離れるとどうしてもこういう感じのバキっとした化学の染めのものになってしまう。
これは世界中一緒なのだけどどうしたもんか…。
とそんなことを考えつつもバザールを後にした。
とある村の月曜市
正直な事を言うと、名前がわからない村だった。
目的の月曜市の村へ行ったらあまり面白くなくて、
その日に運転手を勤めてくれたアブドゥルが少し離れるけど、もう少し面白い市があるよ、
と機転を利かせてくれて、この村にたどり着く事が出来た。
カシュガルの日曜市よりもpoorな人が多い、とアブドゥルは言ったが、
貧しい、というよりも、本当に庶民的な市、と言う方が正しいだろう。
カシュガルの方は明らかな土産物市場もあるけれど、ここはそういったものが一切無い。
ウイグル族の人達の日常に本当に必要なものだけが集まってくるような。
(カシュガルの市だって昔はそうだったそうだが。)
ここは、まずカシュガルからの道が良い。
途中で数キロに及ぶポプラ並木があり、これが実に気持ち良い。
ここをロバ車でとことこと市場に向かう人達がいる姿は、
まさに僕が見たかったシルクロードの、少数民族の人達の姿だ。
カシュガル周辺にはまだそんな姿が残されている、とそういうことだろう。
ここではかご編みのおっちゃんに出会った。
カシュガルでも出会えるかな、と思ったけど、
そのかごを使ってパンや果物を売る人は多かったけど、かご自体は見つからなかった。
(右が編み手のおっちゃん。2つ売りにきていた1つを手に入れた。実に安かったが…)
ここでも彼1人で、彼から一つかごを買って、持ち歩いていると、
ウイグル族の男達数人から「売ってくれ」と声をかけられた。
編み手が相当少ないのだろう。
羊などの家畜市場(ここは男ばっかり)、日用品市場、生鮮食料品、洋服、雑貨、中古バイク、農機具…
それぞれの区画でそれぞれが盛り上がっている。
食堂も当然人でいっぱい。
暑い時期はこの辺の名産であるヨーグルトやアイスが旨い。
とにかく活気と素朴さが楽しい市場だった。
ここでは本当にかご作りのおっちゃんに出会えたころがラッキーだった。
やはり「手仕事」という意味では脈々と受け継がれてきたような民具などはほとんど見つけることができないので残念。
次は、そんな中でも見つかった手仕事の話を。
この旅の本題です。