読谷山焼北窯。松田米司・松田共司・與那原正守・宮城正享四人の親方の素敵な窯です。沖縄のやちむん。
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やちむんの今 北窯の器
沖縄の焼物のことを「やちむん」と言います。沖縄の言葉だそうです。
(→やちむんについてはこちらからご覧ください。)
中国や朝鮮、日本、東南アジアの国々の影響を受けながら600年以上の歴史を持ちます。
そのやちむんの歴史の中にあり、現存の窯で常に各所で注目を集めているのが「北窯」(きたがま)です。
宮城正享・與那原正守・松田米司・松田共司の4窯元の共同窯として1992年に開窯し、
昔ながらのやり方で13連房の巨大な登り窯を年5回焚いています。
親方の1人、松田米司さんは「僕らは沖縄の焼物を背負っている。」と言うように、
過去からつながって来た沖縄の焼物を後世に伝えると同時に、
その中から今の暮らしに合わせた器を新しく生み出していくそのエネルギーは
常に我々を惹き付けます。
日々の暮らしに沖縄の明るさを
このお店を始めようと思ったのも、それにエネルギーをくれたのも
きっと北窯の器のおかげです。
昔ながらのろくろで整形された器が、たっぷりの沖縄の日差しを浴びて、
登り窯で焼かれます。1300度に近い温度で3日以上かかって
焼き上げられ、それがまた数日かけてゆっくりと冷まされ、
窯から出てきます。
窯から出て来た器は、ピカピカに輝いているもの、
焼きが強く、焦げたようになってしまっているもの、
窯の天井の土が剥がれ、土が付着してしまっているもの、
火の力によりゆがみが出てしまっているもの、
いろんなものがあります。
そして重ね焼きという焼き方で数をたくさん焼くため、
一番上のお皿以外には上のお皿の高台の跡が付きます。
これを「蛇の目」と言いますが、これもここの個性で、
なんだかそれもデザインっぽくて可愛かったり。
僕は個人的に少し歪んだものや、焼きの強いものも大好きで、
うちのお店にはそういうものも多くセレクトされていいます。
僕自身が未熟で中途半端な人間なので、なんか、そういう器を
より愛しちゃうみたいです。
やちむん全体に言える事ですが、この器を食卓で使うと、
食卓に「明るさ」が出ます。これがとにかく良い。
何か盛ってテーブルに置いただけで、うきうきする。
そんな力を持った食器です。
歴史的にも大胆で色鮮やかな絵付けの多い沖縄の器。
そこかしこの木々の鮮やかな緑。抜けるように青い空。
日ごと、季節毎表情を変える海。
そんな沖縄の大地の豊かさが器から伝わってくるよう。
他産地に比べて厚ぼったいのも、沖縄の大らかさ、
そんな風に受け止められます。
やちむんデビューはマカイ(沖縄独特の碗)か、小皿、
あるいは7,8寸あたりの器が良いと思います。
それで沖縄の器の魅力にハマったら、是非「尺皿」を
お試し下さい。これ、迫力が違います。
親方達それぞれが尺皿作りには相当気合いが入ります。
尺皿は飾って良し、使ってよし。見てるだけでパワーが
貰えるような、そんな素晴らしいものです。
食器棚に並ぶ沖縄の器も見ていると、あの暑いなかひたすら土作りをしたり、ろくろを蹴ったり、窯を焚いたり、
親方や陶工の皆さんの姿が浮かんできます。同じように手仕事で、きちんと作られた食材を選んで盛りたいな、
なんて生活の心掛けも変わってきます。
そんな器なんです。
北窯 窯出しにお邪魔してきました。
2011年9月 第109回北窯の窯出しの様子
2011年7月 第108回北窯の窯出しの様子
2011年3月 第106回北窯の窯出しの様子
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